2月5日、「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例」(案)の緊急勉強会を千葉県労働者福祉センター(千葉市中央区)で開きました。定員100人の会議室は続々と訪れる人で超満員になり、入りきれないほどでした。資料もあわてて刷り増しに走りました、170人が会場を埋め、ほとんどの方が最後まで熱心に聞いていました。様々な障害の当事者や家族だけでなく、県内の医師会、企業関係者、教育関係者の顔も目立ちました。県会議員も各党派から参加してくださいました。
田上昌宏・千葉県手をつなぐ育成会会長が開会のあいさつをした後、千葉県障害者差別をなくす研究会の野沢和弘座長が障害者が置かれている状況、日本国内での権利擁護の動きなどを紹介し、この条例の意義について説明しました。「障害者を好きになってくれとは言わない。あなたが踏みつけられたり無視されたりしたら悲しく悔しい思いをするように、障害者だって差別されたら悲しいのだということをわかってほしい。相手に理解し共感して心が震え合うことが"生きる力"を育む。障害者だけじゃなく、県民すべてのための条例案だ」と語りました。
法政大学大学院教授の佐藤彰一・同研究会副座長は条例案の内容を説明しました。障害の定義、分野ごとに明示されている差別事例、解決に向けて第3者(差別解消委員会)による話し合いや援助の意義について解説しました。この条例があえて罰則規定を設けず、地道な話し合いによる相互理解を促すメリットについて話すと、多くの人がうなずいていました。佐藤さんは船橋市に住む自閉症児のお父さんでもあります。
このあとは「条例案のQ&A」のコーナー。「なぜこの条例は必要なのですか」「障害者にとってどんな良いことがあるのですか」など司会の山田晴子さんから質問が投げかけられ、野沢さん、佐藤さんが答えました。山田さんも障害児の母親です。
会場からも質問や意見が相次ぎました。「なんとしても条例を制定してほしい」「理解を促すことが条例の目的と知り、安心し納得した」などの声が相次ぎました。鴨川グランドホテルの営業マンで同研究会委員の浦辺孝雄さんが研究会に臨んだ心境をユーモアを交えて話し、「うちのホテルも知的障害者4人を雇用したばかり…」と紹介すると会場から拍手が起こりました。最後は高梨憲次・同研究会副座長の笑いと涙を誘う話で、会場に感動が広がりました。