千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!28

vol.28

Q&A 議会で出た「福祉のまちづくり条例」とは何ですか?

 「福祉のまちづくり条例」は、高齢者や障害者等が円滑に利用できる建築物の整備促進について規定している、いわゆるハートビル法の趣旨・内容を踏まえ、平成8年3月に制定されたものです。同様の条例は全国の都道府県で制定されており、基本的な内容も同じとなっています。
 その内容は、高齢者、障害者等が安心して生活し、自らの意思で自由に行動し、平等に参加することができる社会を構築する等を目的としていますが、規定の多くは、建築物や道路、公園その他の公共の用に供する施設等の整備を進めるものです。
 現在、国ではハートビル法や交通バリアフリー法がすでに役割を終えたのではないかとして、これらを廃して新たに総合的な法律を作ろうという議論も起きていると聞きます。法律としての限界が指摘され、すでに役割が終わったという意見すらあるハートビル法が元になって作られた条例、それが「福祉のまちづくり条例」なのです。

Q&A 今回の障害者条例との違いは何ですか?

 今回の条例案は、障害者が日常生活の様々な場面で「生きづらさ」「暮らしにくさ」を感じている実態を踏まえ、建築物等のみならず、福祉、雇用、教育、サービス提供など日常生活の様々な分野における「なくすべき差別」を県民の目に明らかにするとともに、第三者的な立場の相談員が間に入り、解決に向けて関係者が知恵を絞る仕組みなど、「福祉のまちづくり条例」にはない新たな内容を盛り込んだものです。国レベルでの議論のさらに先を行く画期的な条例案であることは、県外の有識者や日弁連の弁護士たちからも賞賛されています。
 福祉のまちづくり条例と今回の条例案は、構成も内容も大きく異なっています。福祉のまちづくり条例は、第1章総則、第2章福祉のまちづくりに関する施策、第3章公益施設等の整備等、第4章雑則−−となっていて、施設整備のほかにはあまり具体的な規定がありません。これに対し、今回の「障害のある人もない人も暮らしやすい千葉県づくり条例案」は、第1章総則、第2章なくすべき差別等、第3章推進会議、第4章差別の事案の解決、第5章理解を広げるための施策、第6章雑則、となっています。
 県民から寄せられた約800件もの「差別事例」の中には、もちろん建築物や道路など施設整備に関するものもありましたが、それは全体のごく一部に過ぎません。福祉や医療や教育やサービス提供などあらゆる分野を視野に入れた条例案こそが求められているのです。

(文責・野沢)

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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