車椅子マーク悪用! 千葉で
「障害者用駐車場に健常者、苦情急増」という新聞記事(抜粋)。舞台は千葉県です。
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健常者が車に「車椅子マーク」を付けて障害者用駐車場に止めている、との苦情が増え、マークの権利を持つ日本障害者リハビリテーション協会(東京)が、製造業者に注意書きを要請。商品に添付されるようになった。しかし苦情は一向に減らず、同協会は「本当に困っている人たちのために、どうか悪用しないで」と訴えている。
車椅子マークは正式名を「国際シンボルマーク」といい、国際リハビリテーション協会が69年に制定。日本では障害者リハビリテーション協会が商標権を持っている。
本来は「障害者が利用できる建築物や公共輸送機関」であることを示すマークだが、他のドライバーに配慮を求める意味などから、マイカーへの利用も制限していない。複数の業者が製造し、昨年は約1万7000枚作られた。1枚数百円で、カー用品店などで売られている。購入時に障害者手帳の提示を求めることも検討されたが「高齢で足腰が弱った人など、必ずしもすべての障害者が手帳を持っているわけではない」と見送られた。
ところがここ2、3年、協会には毎月「不正使用」の苦情がある。このため昨年8月から「正しい用途でお使い下さい」などの注意書きを裏書の目立つ場所に入れているが、東横インの不正改築で障害者用駐車場問題が注目され、苦情はむしろ増えているという。スーパーなどの団体・日本チェーンストア協会も「苦情は把握しているが、利用者のモラルに委ねるしかない」と困惑している。
スーパーが込み合う土曜(4日)の午後、千葉県内の郊外型スーパーの駐車場で、車椅子マークを付けた車を追った。5時間で約30台が障害者用区画に止め、うち健常者らしい数台の運転者に聞いた。「足が痛い」「家族に外見で分からない障害がある」などと答えた人を除き、2台は障害者が乗っていないことを認めた。
うち1台は若い女性の2人組。「(車椅子マークは)おしゃれで付けてます。ごめんなさーい」と笑って、店内に駆け込んだ。また、子どもを連れた女性は「足の悪いおばあさんがいる。今は乗せてないけど」と言って、車で走り去った。
この日、千数百台収容の駐車場はほぼ満杯で、100メートル以上離れた区画まで車は列を成していた。しかし、入り口正面の障害者用区画は空いており、大多数はルールを守っていた。警備員の男性は「障害者用区画の利用者で『そうかなあ』と思う人は少なくないが、聞くわけにもいかない」と肩をすくめた。
(3月5日 毎日新聞)