千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!39

<シリーズ> なぜ条例が必要なのか

 県民から集まった800件を超える差別事例の中には、「聴覚障害者がスイミングクラブに入会しようとして断られた」というものがありました。「プールの中で気絶したときに声をかけても気づかないだろうから」という理由です。しかし、耳の聞こえる人だって気絶していれば声をかけても聞こえません。だいたい水の中で気絶している人がいたら、すぐに助け出さなければならず、声を掛けている場合じゃありません。まず障害者を拒否することを決め、あとであれこれ理屈を付けようとしているのが透けて見えるようです。 スポーツクラブでの障害者の拒否は決して珍しいことではありません。条例案に反対する人の中には「差別なんてどこにあるの?」という人もいますが、とんでもありません。こんな有名人だって拒絶されているのだということを紹介します。

■金メダリストも…
 アテネのパラリンピックの陸上男子マラソン(視覚障害1)で金メダルを獲得した、全盲の高橋勇市さんは、東京都内のスポーツクラブに入会しようとして、できませんでした。このスポーツクラブは、日本オリンピック委員会(JOC)の公式スポンサーで、全国に205以上の施設を持っている大手です。
 高橋さんが直接クラブに訪れて入会を申し込んだところ、口頭で拒否されたそうです。納得のいかなかった高橋さんが説明を求めると、「受け入れ態勢が整っていないので待ってほしい」と言われ、その場では具体的な入会のめどは示されませんでした。
 その後、高橋さんはアテネ・パラリンピックに出場し、マラソンで見事に金メダルを取りました。それから、クラブ側は次のような条件を示して入会を認めることを伝えてきたというのです。その条件とは、@利用時間は午前10時〜午後5時に限るA男性の同伴者1人以上の付き添いを必ず付けるBクラブ側のインストラクター(職員)は障害に対する補助はしない――というものです。
 高橋さんはふだんは特別な介助なしに日常生活を送っている人です。それどころかパラリンピックで金メダルを取った人なのです。このスポーツクラブを使うときだけどうして「男性1人以上の付き添い」とか「クラブのインストラクターの補助」などが必要なのでしょうか。結局、高橋さんはこのクラブに入会することを断念しました。なぜなら、平日の日中は仕事を持っているために、「利用時間を午前10時〜午後5時に限る」とされたのでは利用したくてもできないからです。
 新聞記事によると、高橋さんが「ショックを受けた。障害者に対する差別としか考えられない」と話しているのに対し、クラブ側は「入会を断ったのではない。条件は高橋さんと他の利用者の安全を最大限に考えた結果。入会の交渉に時間がかかったのは、施設の安全状況を確認したため」と説明している、と言います。記事には国連障害者の権利条約制定に携わる車いすの弁護士、東俊裕さんの談話も付いています。「日常生活も支障なく送っており、まして世界大会に出場するような選手であり、まったく合理性のない話。表面化しない同様の事例は多くある。施設や安全管理面の問題よりも、スポーツクラブ側の偏見が根底にあると思われる」

■映画監督も……
 チェルノブイリ原発で被災したベラルーシの森で暮らすお年寄りと障害のある青年の日常を描いたドキュメンタリー映画「アレクセイと泉」は、ベルリン映画祭でベルリナー新聞賞・国際シネクラブ賞を受賞したのをはじめ、世界各国で高い評価を得ています。
 この映画の監督は本橋誠一さんで、ダウン症の娘さんを持っている人です。その本橋さんの長女もスイミングクラブへの入会を断られたことがあります。本橋さんはその時の模様をこのように語っています。
 学校のことなどをいくつか質問された後、「障害のある人は『お互いに嫌な思いをしないようにするため』断るように上の者が決めました」と言われたのです。私の娘はダウン症ですが、小・中学校ともに地元の学校の普通クラスに通い、先生や同級生のみんなに助けられながら暮らしてきました。おとなしい子ですし、誰かとけんかをしたこともありません。私は納得できなかったので、後日、担当者に電話をかけ、理由をもう一度聞いたところ、「中学生以上の障害のある人はお断りすることにしている。ダウン症はふだんおとなしくしていても突然暴れることがある」という答えでした。私は驚きました。こんな間違った認識がまかり通ったまま、娘は締め出されてしまったのです。
 本橋さんによると、スイミングスクール側は「うちは公的施設ではないので、障害児を受け入れる義務はない」とも言ったというのです。

■嫌な思いをしている障害者はいっぱいいる
 本橋さんの話を聞いてから、全日本手をつなぐ育成会権利擁護委員会は会員たちにスイミングクラブで拒否されたり嫌な思いをさせられたりしたことがあるかどうか会員に意見を募りました。寄せられた意見の8割が好意的にスイミングクラブを利用できているというものでした。しかし、もう少し詳細に分析してみると、「嫌がらなかった」と答えた中に、「受け入れ可能な所を調べてから申し込んだので」とか「実は、家から車で1時間かけて通っている。 近くのスイミングクラブは2年前に申し込んだが変な顔をされたのでやめた」という答がありました。「5〜6カ所電話をしてすべて断られた。1カ所だけOKが出た」と答えた人もいます。「多動ですかと聞かれた」「医師の診断書を提出することを求められた」「事故が起きても不問にすると条件を付けられた」「誓約書を書いた」という人も結構います。
 「嫌がられた」という人の理由では「やはり事故が起きたら困るといわれた」「入会前にテストのようなことをさせられて断られた」「多動な様子を見て『先生が1人付ききりにならないといけないが、そんな余裕はない』といわれた」「指示が聞けない、危険との理由で断られた」などがありました。
 中には「職員はいいが、子供たち(健常児)にかばんや靴を隠すいたずらをされたり、アホと言われたりした」「この子は何を言ってもどうせ分からないという感じで"野放し"状態です。見学のお母さんにも『あの子は邪魔をしている』と聞こえよがしに言われたことがある」という体験を書いてきた人もいます。

■健康福祉常任委員会(3月20日)B

 長時間の質疑が行われた健康福祉常任委員会の報告です。これで最終回です。

☆小橋議員(公明)
 この条例は人間観、人権の問題にかかわるもの。しっかりした認識が必要。広く定着させる意味で条例の存在は大きい。予算委員会で部長は「要請がなくても説明すべきだったと反省している」と発言したが、その意味を改めて聞きたい。障害の定義を医療モデルから社会モデルに転換した背景は何か。差別の定義は、研究会でどのような議論があったのか。県民の役割の「暮らしにくさを伝える」とはどういうことか。「過重な負担」を判断する相談員の役割は重要。研修や教育はどうするのか。推進会議のメンバーで「その他障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための取組に関わる者」は具体的にどういう人か。差別解消委員会の委員数を10人とした根拠は何か。人数を増やすべきではないか。

★山口健康副支部長
 要綱案を全議員に配布し、ご意見があればご説明申し上げるとしていたが、今考えると、各会派の要請を受けてではなく、より積極的に説明を行うべきであったと反省している。

★竹林障害福祉課長
 国の法令で使われている定義を使うのが一番簡単だが、「障害者基本法」の障害者の定義は、知的障害を伴わない発達障害者、高次脳機能障害者、難病患者など、社会通念上は障害者だがこの定義には当てはまらない方がいるのではないかと前々から言われてきた。
 「医療モデル」は、障害者に原因があって障害者になっているという考え方だが、最近のWHOの定義は、障害者個人の状況と社会の受入状況の相関関係の中で障害が発生するとしている。完全なバリアフリーの社会だったら車椅子も障害でないかもしれない。社会の受け入体制が充実すれば障害の範囲も狭まりうるという考え方。2001年に発表され、現在検討中の条約などにも普及している。わが国でも16年の「障害者基本法」改正、17年の「障害者自立支援法」にも定義を見直すべきとの議論があった。自立支援法では、施行3年を目途として検討するとなっている。基本法改正の提案者である八代英太先生は「難病の方なども入るべきと思うが、国の障害者の定義は福祉手当とか年金とか背景があり、定義を変えるといろいろな所に波及するので、一発ではできなかった。抜け落ちている障害者を全部入れることをかならず近い将来行わなければならない」と答弁されている。
 今回の条例では、相談を受けて仲裁する仕組みを中心としており、手当、年金などのしがらみがないので、新たな国際標準の「社会モデル」に沿って定義を考えるべきとの研究会の議論を踏まえ、今のような定義になっている。
 差別の定義については、800件近く集まった事例を基に差別とは何かを議論してきた。ジロジロ見られるなど心理的なものは条例には難しいということで、雇用、教育など分野ごとに障害者と障害者以外に差を付けているものに的を絞って議論をしていこうということになった。他の団体の提案も参考にしながら、こういう類型にすれば主な事例は拾えるということで現在の内容となっている。
 県民の役割の第4項は、最も議論があった論点の一つ。障害者への差別は、障害者特有の生きづらさを皆が知らないから、悪気はないが行われている。本人でなければわからないところも多いので、障害者も「誰かに理解してもらいたい」と願うだけでなく、自ら説明していくことが必要ではないかという議論があった。最終報告書では、学校の総合的な学習の時間で当事者が話をしようとか具体的な提案がある。周りの人が当事者の話しやすい環境を作るという責務と合わせ、当事者も始めていこうというもの。
 地域相談員については、10月の施行までに半年置いている。相談員、指定機関、差別解消委員会の役割が非常に重要であり、しっかり研修して理解を浸透させていく必要があるため。既に、労働委員会、公害審査会など利害の異なる民間同士の人の意見を調整する仕組みがある。このノウハウを学び、教育現場の苦しみも教えていただく研修もしたい。
 各団体の提案では県中央1か所の委員会で裁いていくというのがほとんど。研究会で、県中央だけでは敷居が高いので、身近なところに窓口が欲しいという意見があり、地域相談員を制度化した。456人という人数が十分かは答えにくいが、様々な提案の中で最も手厚い内容になっていると考えている。この456人は自動的に地域相談員となるが、このほか人権擁護委員、民生委員、NPOなども募集して相談員になってもらいたい。
 「推進会議」の「その他」については、基本となる障害者、事業者、行政、学識経験者以外にも、一緒に協力しようということであれば誰でもよいだろうと考えている。指定機関については、施行まで半年の間に、研修をしっかりやって、この条例の趣旨に沿い両者の言い分を公平に聞いて解決を図れるノウハウを身に着けてもらいたいと考えている。
 差別解消委員会の10名の根拠は、多数決ではなく皆で話し合って解決策を求めていくように「偶数」とし、人数が多いと集まるのも難しいし、少な過ぎても県民各層を代表することが難しいので10人くらいがちょうどいいのではないかということで決めた。
 10名の構成については、障害者・支援者・保護者が10名のうちおよそ半分。残りは、教育現場の方や障害者雇用の企業側に立つ方などのイメージ。事例でも一番多かったのは教育、雇用の関係者の方は少なくとも入っていただいた方がよいと思う。

☆小橋議員
 「推進会議」のメンバーにはNPOも入るのか。知的、身障相談員は活発に活動していない。しっかりした研修が必要。中核地域生活支援センターは身近な存在。問題のないように十分な対応をしてほしい。差別解消委員会に、県民の代表として議員も入ってもいいのではないかと思うがどうか。

★山口部長
 委員の要件は「人格高潔で識見の高い者」であり、その中には当然議員の先生方も含まれると考えている。

☆小橋議員
この条例について県民の方々と話し合いをした。障害の定義についても、身体は定義しやすいが精神などは外見では分かりにくい。あいまいさがあって、初めて運用しやすくなると考える。また、現代は躁・鬱など、誰もが障害者になる可能性がある。社会モデルの考え方は重要。是非、この条例を成立させて第一歩にして欲しい。

☆浜田議員(自民)
 教育の「・・・希望しない学校への入学を強いること」は、委員会の独立性、市町村の自主性に配慮するとはいっても、おかしい。それぞれの障害に応じた教育を受けさせるのが基本。親の一方的な意見で普通学級に通学させるのは行きすぎ。「市町村との連携」について、この条例が施行されれば、市町村はトイレ、エレベーターの設置などが必要になる。連携の内容が「情報提供や助言その他の必要な措置」にとどまり、財政措置を入れないのは無責任ではないか。市町村教育委員会はまったく情報を持っていないのは県の怠慢。この条例は、障害者を皆で持ち上げて、結局がっかりさせる内容となっている。600万人に理解してもらうには、逐条解釈をつくって配らなくては、理解は得られない。

★竹林課長
 教育の分野の「入学を強いること」という書き方、特に「強いる」が日本語としてきつい感じで、違和感をお持ちの方が多いと思うが、「強いる」というきつい限定的な言葉で書くことで、差別の範囲を逆に狭めている。具体的に言うと、ここで目指しているのは、障害のない人であれば自分たちの行きたい学校に行きたい、少なくとも納得して学校に行きたいのと同じように、障害をお持ちの方もそうしていこうということ。養護学校を否定しているとか、障害種別ごとに適したいろいろな仕組みを全部否定するものではない。聴覚障害児がろう学校に行きたいという話はよく聞く。
 この条例は、特別な仕組みの学校を否定するものではなく、「強いられない」つまり納得して、この学校の方が自分にとっていいということを理解して選択できる社会にしていこうというもの。単に「障害児だから養護学校」というのではなく、養護学校に行くとこういう教育・支援が受けられるから、なるほど養護学校の方がいいと思って選択するのであれば差別ではない。全員が地域の学校に行くべきと言っている訳ではない。
 ただ、地域の学校に十分な支援がないから、やむを得ず、家から遠く離れた友達のあまりいない養護学校に行かざるを得なかったという面もあるのだろうと思う。地域の学校でいろいろな支援が受けられるようになれば地域の学校に行けることも増えてくるだろうと思う。世の中も、文科省なども少しずつそういう方向には進んでいると認識している。あくまで一律のものではない。納得して行きたい学校に行けるようにみんなで知恵を出すことを一つの目標として書く必要があるだろうということ。
 この条例では、各分野の差別に当たる行為を一覧できるようにし、統一的な相談支援の枠組みを定めているが、各分野のなくすべき差別というのは、ハートビル法や交通バリアフリー法など、それぞれの分野ごとに、既に障害者が地域で普通に暮らしていけるように、国の役割、県の役割、市町村の役割に応じて、既に進められているものと思っている。
 「財政的な援助」については、県の条例とはいっても、市民でもある県民の方々から提案されて差別をなくしていこうというものであり、市町村も県が補助したら初めてやるということではなくて、それぞれの自治体の責任としてやるべきことをやる。その中でしっかりと県と市町村で連携を密にしていくというのが基本と考えている。
 県の役割として補助すべきものがあればそれは当然していく。お金を出せばやる、なければやらない、ということではないと考えている。ただ、県の条例で市町村には強制できない。この趣旨については、条例が通ったら、よく市町村に説明し、理解と協力を得たい。

☆信田議員(自民)
 「共に暮らしやすい千葉県づくり」は誰も否定しない。しかし、県民の中から、条例がなければ差別を解消できないというものではないという声が出ている。既存の人権擁護委員や、民生委員が研究会の委員になっていないが、今までこの問題に関わった人々を無視している。ノーマライゼーションが現在進行形なのに、条例ができることでかえって生きづらい世の中になってしまう。まず条例ありきの感がぬぐえない。特に事例の中で差別があったというが、千葉が差別で溢れているといっているようなもの。行政に対するものが294件と多いことを考えれば、まずは行政の差別を検証すべき。差別事案は、地元市町村の対応が求められるので、市町村現場の声を聞くべき。昨年、デンマーク、スウェーデンを訪問した。実際、多くの障害者が社会参加している。障害者が自立できる社会を作ることが重要。条例を作る前に推進会議等を設置して、その必要性を検証すべき。

★竹林課長
 研究会委員に人権擁護委員や民生委員の方が入っていないことについては、研究会委員は、基本的に公募したが、残念ながら、人権擁護委員や民生委員の人は応募者がいなかったので、結果的には委員として入らなかった。今回の仕組みで予定している地域相談員のうち、知的障害者相談員や身体障害者相談員以外の方で、応募される方の主力メンバーとして、民生委員や人権擁護委員の活躍を期待しているので、条例の施行に向けて、よく相談し、協力を仰ぎたい。
 条例の必要性については、いろいろな事例を見ても、多くの場合、悪気があってわざとやっているのではなくて、何が差別かについての相場感がないので、それと気づかずに行われているというものが大多数。国でも、16年7月の障害者基本法の改正で「何人も障害を理由とする差別をしてはいけない」という規定が入ったが、「何が差別か」ということが書いておらず、大きな一歩ではあるけれども、実際の差別をなくしていくのは難しいのではないか、と指摘されている。立法時の附帯決議でも「効果的な仕組みを検討せよ」という宿題が付されているという状況。
 この条例が提案された背景は、そのようなことを踏まえ、例えば、人権擁護委員や民生委員にしても、やはり、こういう類型が差別であるという物差しがないと問題を解決していくのは難しい。県民の目に「なくすべき差別」を明らかにした上で、こういう社会に向かって皆で知恵を絞っていく、という物差しをまず作る必要があった。それから、解決のための仕組み、地域相談員から障害差別解消委員会までの仕組みを設けることが、やはりこの条例を作って初めて実現するものと考えている。

☆大野議員(市民ネット)
 今日の委員会でたくさんの疑問が出たが、県民からは、どのような意見が寄せられているのか。

★竹林課長
 条例要綱案には、パブリックコメントという形で、メールあるいはFAX等で、84名の方から延べ件数210件のご意見をいただいた。これ以外にも、障害福祉課の一般の意見欄や「知事への手紙」など、さまざまなルートから意見があり、電話などでの問い合わせも含めると、かなりの意見が寄せられたものと思われるが、数的には把握しきれない。我が課でこれまでしてきた仕事の中でも、最も関心が高い仕事であったという印象を持っている。

☆大野議員
 新聞報道後の県民からの反応はどうか。

★竹林課長
 県に対して、パブリックコメント等で寄せられたものとは別に、県民の中で自主的に、この条例について勉強をされたり、情報共有をするために文章を書かれたりといった動きがあったと聞いている。

☆大野議員
 端的に言えば、まな板の上に載っているが、それに対する、県に対する意見がなかったかどうか。

★竹林課長
 「この条例はちゃんと通るのでしょうか」「がんばってください」、あるいは「新聞報道などでは条例は厳しいという記事も見たけれども、どこが議論になっているのか」といった問い合わせがあった。中には、条例に対する批判的な側からの問い合わせもあったが、少なくとも県に来る分については条例を通すようにがんばってほしい、という内容が多かった。

☆丸山議員(共産)
 条例には賛成するが、施設生活を余儀なくされている背景に行政の怠慢がある。条例の精神を実現するために、頑張るべきは県。

☆大野議員(市民ネット)
 川名議員の質問で、条例の経過を再確認し自分たちで条例を作ってきたという感覚を持った。この条例を光として、その実行に議員も一緒に取り組むべき。振り出しに戻すのは避けてほしい。今後の礎として通したい。

☆石橋議員(自民)
 障害者の差別を解消して、理解を広げることを、誰も反対しない。自分の問題として、誰もが、住みやすい社会を築くことを考える側面がある。ただ、議論の中で、言葉の定義が曖昧であり理解しづらい。7条から15条で、なくすべき差別を具体的に例示しているが、その後17条で、「過重な負担となる場合は、7条から16条の規定は適用しない」ということは、障害者や関係者に期待を持たせて、望んだとおりの結果が出ない場合、この条例が原因で、障害者と健常者が溝を作ってしまうおそれがある。「過重な負担」の判断をする場合、その建物の所有者の負担など、民間会社などに大きな負担を課すおそれがある。事例の集積を待ちたいということだが、考え方が条例にふさわしくない。関係者に全くといっていいほど知らされていない。関係者の意見として、自治体、サービス団体、教育現場、民間の事業者などから、意見を聴くべき。このような理由からこの条例は継続審議が妥当。

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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