傍聴席がいっぱいに!
「こんなことは初めてです」。議会事務局の職員が驚いていました。27日の千葉県議会代表質問で170席ある傍聴席がいっぱいに埋まり、入れない人は1階ロビーでテレビモニターを見つめることになりました。
質問に立った山口議員(自民党)は条例案について批判的な質問を行い、取り下げを求めましたが、顔をこわばらせ緊張した様子でした。実は、この山口議員は以前から障害者については理解のある人なのです。たまたま今回は代表質問の順番が回ってきたため、党の方針でこのような質問をさせられたのだとも言われています。
実際、夷隅での条例勉強会にも参加してくれて、最前列でずっと熱心にメモを取っていたのが山口議員でした。地元の障害福祉関係者の間でも評判の良い人です。どうしてこのような人が、障害者や家族にとってかけがえのない条例を批判するような質問をしなければならないのでしょうか。
当初は、この27日の代表質問の後に開かれる自民党政調会で、この条例の白紙撤回が決められるとの観測が流れていましたが、なんとかそれだけは回避されました。みなさんが県内各地から傍聴に詰め掛けてくれたお陰で、もともと自民党内でも条例に好意的な議員の先生たちが「やっぱり何とか成立に向けて動かねば」という声を上げてくれるようになりました。そういう議員はたくさんいるのです。それなのに、どうして党として現在の条例に反対する方向に動いていくのでしょうか。
なんだかんだ言っても、最後に県議会が理解してくれないことには条例はできません。障害者福祉も良くはなりません。これだけ障害者のことに県議会が注目してくれたのは過去にありません。私たちも、もっともっと県議会に注目し、障害者の声なき声を議員一人ひとりに届けましょう。どの議員が条例のため障害者のために汗を流してくれるのかをよく見極めましょう。どの党が障害者のために動いてくれるのかも見極めましょう。そして、誰が反対しているのかも見極めなければなりません。
来年春には県議会選挙があります。障害者のために汗を流してくれる人を県議会議員に選ばなければならないことを痛感しています。そのための第一歩です。
研究会が開催
27日の自民党政調会に堂本知事が出席し、条例案について理解を求めました。知事が自民党政調会に出ること自体が異例ですが、それだけ情熱と危機感を持ってのことだと思います。新聞報道によると、その知事に対しても厳しい意見が相次いだそうです。知事はこの条例案を1年以上かけて作ってきた研究会(千葉県障害者差別をなくす研究会)の意見を聞くことを表明し、いったん議論を引き取りました。
それを受けて、翌28日に緊急に研究会が開かれました。各委員からは「何としても条例の灯を消さないで欲しい」「一部の反対している人たちの意見を聞いただけで、さも条例が欠陥であるかのような論調に流されている自民党に、研究会の意見も聞いてもらいたい」などの熱い意見が相次いで出されました。
翌日の新聞ではこの研究会のことが記事として掲載されましたが、一部の新聞で「取り下げも」というような見出しが掲載されました。これは座長である私(野沢)の発言の一部を取り上げたものですが、誤解を招くような記事になっているのは極めて不本意です。その時に述べたのは「何が何でも取り下げなければ話し合いのテーブルにつかないということならば」「9月議会に修正案を提出して成立に向けて議論できるという確約があれば」という条件を付けて、それらが確実に満たされるのであれば、「条例の灯を消してしまわないために、『いったん取り下げ』という選択肢も含めて知事や執行部に慎重な判断を委ねたい」と申したものです。
研究会として「継続審査しかダメ」というタガを知事にはめると、今後の自民党との協議の中で硬直した対応しか取れなくなり、ますます対立がヒートアップしてしまうことを何よりも避けたいためです。はずみで「条例否決」を決められてしまったのでは目も当てられません。実際、過去には大事な条例が本会議で「はずみ」としか思えない理由で、否決されてしまった例もあるのです。
近いうちに、改めて研究会としての正式見解を表明する予定です。
7月3日(月)の議会を傍聴しよう!
というわけで、やっぱり県議会は大事です。3日は@午前11時〜A午後1時〜B午後2時〜、自民党議員3人が一般質問に立ちます。それまでにはこの条例案の取り扱いについて一定の方向が示されているとは思いますが、具体的にどのようになっていくのかはまだまだこれからです。このまま継続審査になるにしろ、(確実に提出・成立の確約を得た上で)いったん取り下げて9月に再提出するにしろ、いずれにしても障害者や家族が大勢関心を示していることを理解してもらわなければ、あっという間に吹き飛ばされてしまいます。
議会を傍聴し関心を持ち続けることが何よりも大きな影響力を発揮できることは間違いありません。
(文責・野沢)
条例の成立を願う会カンパのお願い
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