条例案を取り下げた3日の県議会の傍聴者、条例ニュース52号を読んだ人から続々と反響が届いています。「涙をバネに進もう」「みなさんの粘り強さに乾杯です」など、あたたかく、力強い声ばかりです。当日、議会傍聴に来られなかった人からは、「議会を中継するインターネットを仕事中に見ていました」という声も届きました。平日の昼間ですから、仕事を持っている人や子育てしている人の多くが議会傍聴には来られなかったと思います。それにもかかわらず、連日、傍聴席は埋め尽くされました。この重みを県議会議員の先生たちに受け止めていただきたいと思います。以下は、寄せられた声の一部です。
■みなさんの粘り強さに乾杯です
……八代英太・前自民党衆院議員
長く熱い条例案の戦いでしたね。自民党はわかっていないとの思いを強く感じたろうと思います。こうした大事な県民の福祉までも犠牲に追い込む姿は正常ではありませんね。しかし、望みがまったく絶たれたわけでもなく、9月議会に向かって頑張って欲しいと思います。私がお手伝い出来ることがあるとしたら、遠慮せずご指示ください。再提出でよかったと思います。対立でなく対話が大切でしょうし、やがて障害者の心の叫びがジワジワと彼らの胸の奥に沁みこんでゆくでしょう。
ともあれ、みなさまの粘り強さに乾杯です。福祉も法案も運動も、こうした紆余曲折があってこそ、実りに喜びが倍加されます。へこたれず頑張ってください。みなさまによろしく……。
■涙があふれてきました
……鎌ケ谷市在住の女性
3日の議会、私は午後3時までしかいられませんでしたが、その後の条例取り下げの説明と、質問内容を拝見し、苦渋の決断だったことを改めて知りました。傍聴席から知事にエールをおくり、それに応えてくださった件は、読んでいて自然と涙があふれてきました。知事と研究会の方々との信頼関係は、本当に人格者同志だからできる関係であり、崇高な理想に向かっていく力強さを感じました。
それに反して、我が町(鎌ケ谷)の議員の質問には、怒りより呆れてしまいました。「コミュニケーションをとれないような人間には、入所施設が必要……」だなんて正々堂々と言わせてしまって、鎌ケ谷市民として恥ずかしい限りです。
■もう根性ですわ
……長野県西駒郷地域生活支援センター、山田優所長
条例ニュース「みんなで作ろう52号」を読ませていただきました。いつのまにか涙がほほを伝わっていました。職場の人たちに気付かれないように、鼻をかむふりをして拭いています。雰囲気がとてもよく伝わってきました。
堂本知事の選択肢は、書かれているようにぎりぎりの中での決断だったのでしょう。その思い・メッセージは、議場から傍聴されている皆さんをお見送りされた全身に込められているのですね。 何事も、熱しやすく冷めやすいものです。熱意を維持するためのエネルギーはさらに必要です。「時間を置く」という意味は、もっと理解を広げる・内容を深める・さらにより良いものへと練りこむ……ことでもありますが、疲れを狙って妥協への道を探る背景もあります。9月までのプレゼンまでどうぞ持ちこたえてください。そして成立に向けて、これはもう頑張るしかないですね。関西流で言うならば、もう根性ですわ。
長野県の大規模入所施設「西駒郷」の地域生活移行は、長野県全体の障害者福祉の地域生活支援へと予想以上の波及効果をもたらしました。「私は地域で暮らすことで人間になった」とはスウェーデン知的障害者の実践「街で暮らす」ビデオで語られた象徴的なメッセージです。
長野県ではこの3年間で民間入所施設を含めて約300人が入所施設から出て地域生活を始めました。地域生活の現場からはさまざまな話題が提供されてきます。トラブルもあります。戸惑いもあります。反社会的な行動にも出会います。「寝た子を起こす」と侮辱的な言葉を投げかけられたりもしました。入所施設で普通の生活を伝えることは困難です。地域生活の中で体験してこそ、地域社会の暮らしを学ぶことが出来ると思っています。
この戸惑いを最も感じているのは障害のある人本人でしょう。30年も入所施設にいれば、願っていた地域生活の現実に混乱もするでしょう。地域生活の時間が経過する中で、眠らせていた・我慢していた自分を表現されてきます。「どこまで良いのだろうか」を知るには、経験の中で学ぶしかありません。
「人間になる」ことは、本人の人間回復への助走であり、支援すること・その周囲にいる人たちには、「支えること・共に生きること」を知らせることでもあり、そして潜在的に根深く巣食う差別感を感じ取り、自分自身に人間とは何かを問うことになるのだと思っています。長野県が率先して進めてきたこの施策の流れを断ち切りたくはありません。どうぞ長野にも応援をください。私も一県民として頑張りたいと思っています。長野から再びエールを送ります。
■傍聴人の数がすごい!
……黒岩海映弁護士
傍聴人の数がすごいですね。9月議会へ、いい形でつながればいいと思います。ここ
まできてつぶされることはないのではないでしょうか。(多少の修正はあっても)。みなさんのねばり強い活動に、心から敬意を表します。千葉県条例ができることで、国レベルの差別禁止法制定へ向けて大きな弾みになりますから、期待していますし、お手伝いできることがあれば何でもやらせていただきたいです。
条例ニュース「みんなで作ろう」は日弁連(日本弁護士連合会)差別禁止法委員会の
メーリングリストに転送させていただきました。日弁連では今やっと、障害者虐待防止法の提言へ向けて活動しています。条例、そして差別禁止法、虐待防止法、といった法整備はどうしても必要な流れだと思います。
■涙をバネに進もう
……研究会の山田晴子さん
今日(3日)も県議会の傍聴席は満席でした! 本当にありがとうございました。堂本知事は、この議会では条例案をいったん「取り下げる」という決断を下されました。条例の灯を消さないためには(否決されないためには)これしかないという決断だったと思います。
知事の姿を見て泣けてきましたが、涙をバネに次へ進みたいと思います。9月議会に条例は再上程されます。それまでに研究会と県議のみなさんとの議論の場があってほしいと願っています。タウンミーティングも開きましょう。傍聴席を埋めた私たちの熱い思いをもって、条例成立への動きをつくっていきましょう!
■議会の様子を見たかった
……船橋市在住の男性
私も何とか休みを取って議会傍聴を……と思っていたのですが、残念ながら行けませんでした。仕事をさぼりながら、ときどき議会のインターネット中継を見ましたが、何度も「現在アクセスが集中して見られません」という表示が出ました。たぶんこれも「議会始まって以来」ではないでしょうか。議場に行けない人の中でも、私のように何とか議会の様子を見たいと思った人が大勢いたのだと思います。本当にご苦労さまでした。またこれから新たな始まりですね。私も何かできることがあれば、是非手伝わせてください。
■健康福祉千葉方式は県民の味方!
……市川市在住の女性
障害当事者の家族として、2月、6月の議会傍聴や条例勉強会になんども加わらせていただいている者として、そしてまた、健康福祉千葉方式による施策のすばらしさを実感している者としては、条例ニュース52号を「感動!」して読ませていただきました。傍聴席を埋め尽くす光景……こんなことは千葉県議会ではなかったことなのですね。 そして条例案の結末(3日午後4時過ぎ)に立ち会えたのは、ほんの一握りの人だったのですね。はい、私も、直前に帰ったひとりでした。知事と健康福祉千葉方式は、本当に、県民の味方だとわかりますね。
新聞紙上で、この件が取り上げられていますが、十分な説明ではありません。誤解されたり、がっかりされたりするかもしれませんので、ぜひ52号を読んで欲しいです。27日に議会へ傍聴に行った人、3日に行った人、条例勉強会に参加した人、これまでのミニタウンミーティングに参加した人に、ぜひ添付の「みんなで作ろう52号」を配ってください。
■粛々と、力強く、がんばろう
……袖ヶ浦市の男性
きのう(3日)も県議会は満員でしたね。皆さんの努力の結晶ではないでしょうか。これが、否決や廃案を「拒否」できた原動力だと思います。障害者や家族の思いを県議会に対して粛々と、しかし、力強く示せたことは、今度のことに限らず、今後にも結びつく貴重な出来事だったと思います。まだまだご苦労が続くと思います。今後ともがんばってください。
■魂の灯を消すな
……研究会の森登美子さん
私たちは何ひとつ無駄な事をして来てはいなかった筈です。そして、私たちが作り出して来た「千葉県づくり条例」は座礁も転覆もしておりません。この条例の持つ<魂の灯火>を消さないために、理不尽な荒波、横風を避ける為に回遊しただけです。
私たちの航海のキャプテンは、苦渋を噛み締め、「回遊する英断」を下したのです。しかし、私たちは、<単なるお客様>ではありません。キャプテンと共に航海をしている<クルー>なのです。私たちが選んだキャプテンに<命を預けている>のです。それが、真の「県民参画」「官民協働」「千葉方式」である事をやっと肌身で感じる事が出来たと思っております。
これからが<本番>です。正に、「県民参画」「官民協働」「千葉方式」の体現・具現に向けて、エンジン全開というタイミングになったと思っております。この様な貴重な体験をさせて頂ける事は、千葉県民として誇りに思っております。
この日本中で、この様な地方自治がどこにあったでしょうか? 論理的問題より、理不尽な理由とも思える事柄であっても、耐え忍ぶ行政執行に私たち県民自身も、自らの問題として関与しているこの<姿>は、今後の日本の地方分権の先駆けとして、大きな力を蓄え、力を携える事への自信になっていくのでは…と密かに胸震わせております。
「灯火を消さないために」という知事のご英断を頂いて、<魂を込めてきた条例(案)>を「骨抜きにしないため」に、私たち県民が出来る事をし続けていこうと、新たに決意した次第です。この「障害者の差別をなくすための条例」を作ろうとした時から、全ては始まっていたはずです。そして、これからも、行動して行く事は変わらないはずです。「障害者の差別を無くすため」に、また、一歩を踏み出して行く事ではないでしょうか? 今後も共に歩んで生きましょう!共に行きましょう! 今後共よろしくお願い致します。
■みんなに広げよう!
……市川市の女性
多くの傍聴の方々においでいただきました。本当にありがとうございます。山場となる日がわかるのが、ほんの数日前のため、傍聴者の数を確保するのは、困難を極めます。今回、前日までに掴んでいた数は、170名でした。でも当日の実質人数は200人をはるかに超えていました。そのため午前・午後とも傍聴席を満員にすることが出来ました。
呼びかけを行ってくださった多くの方々、何とかやりくりをして駆けつけてくださった多くの方々、本当にありがとうございました。お子さんのお迎えがあるため、3時に帰る人が多く、その後の重要な場面に立ち会えなかった人たちにとっては、条例ニュース52号がありがたいです。(私もそうでした。あのあと、どうしただろうと、心配していたところにニュースレターが届きました)
お願いがあります。3日に傍聴してくださって、ニュースレターをメールで見ることが出来ない人たちへ、何らかの方法で届けていただけないでしょうか。また、各地、条例勉強会に参加してくださった方々にもニュースレターを配布する方法を各地、考えていただけないでしょうか。否決・廃案の線が、なんとかいったん取り下げ、 9月議会への再提出へと、繋がることになります。そのため、9月までの間に、各地で応援・理解をしてくださる方をふやしていかなくてはならないと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
※3日の一般質問で自民党の岡田議員(鎌ヶ谷市)が健康福祉千葉方式への疑問とともに、ろう重複の人のための入所施設の必要性を訴えていましたが、傍聴していた聴覚障害連盟の人々から次のような意見が寄せられました。「ろう重複の施設は、(健康福祉千葉方式で作った)第3次千葉県障害者計画で必要性についてコメントが載せてあり、千葉県としてはすでに認識されています。鎌ヶ谷市の聴覚障害者にその旨を議員に説明して欲しいと助言したのですが。何も知らない人たちが拍手したりして、こちらが思わず赤面してしまいました」
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