千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!56

 21日の県議会健康福祉常任委員会協議会は重要です。ぜひ、みんなで傍聴に行きましょう。事前申し込みの状況ではまだまだ席が空いているようです。そこで、修正された検討用試案(新条例案)に対する各会派の考えが明かにされます。9月議会の提出されるのかどうか、成立するのかどうか、まったく余談を許さない状況です。
 試案はどこがどう修正されているのかを改めて、列記しました。それぞれ解説が必要で、このまま読まれると誤解や憶測を抱かれる心配もあるのですが、それはまた次号で。座長見解は55号に掲載しましたので、そちらをぜひ参考にご覧ください。

@前文の表現が変わった

(旧)住みなれた地域で自分らしく暮らしたいと願うのは人間として当然のことである。しかしながら、障害のある人は理由のない誤解、偏見、無視などによって社会生活のさまざまな局面で「生きにくさ」「暮らしにくさ」を経験し、今なお、多くの人が施設や病院での暮らしを余儀なくされている……県では、誰もが、ありのままに、その人らしく、地域で暮らす「新たな地域福祉像」の実現を目指し、当事者を含む県民と行政が協働して施策づくりを進めているが、この中で、障害のある人に対する差別をなくしていくための取り組みが生まれた。
(新)住みなれた地域で自分らしく暮らしたいと願うのは人間として当然のことであり、障害のある人もない人も、誰もが、お互いの立場を尊重しあい、支え合いながら、安心して暮らすことのできる社会こそ、我々が目指すべき地域社会である。しかしながら、障害のある人は理由のない誤解、偏見、無視などによって社会生活のさまざまな局面で辛く、悲しい思いを感じながら生活している現状にある。こうした現状を克服し、我々として目指すべき地域社会を実現するため、今、我々に求められているのは、障害のある人に対する福祉サービスの充実とともに、障害のある人への誤解や偏見をなくしていくための取り組である。

Aなくすべき差別項目が「定義」の中に位置づけられた

 旧条例案で7条〜16条に「なくすべき差別」として分野ごとに差別事例を列記し、これらの差別行為を禁止する規定を設けていた。新条例案はこれらを第2条の「定義」の中に移した。

B教育分野の表現が変わった

(旧)なくすべき差別として「本人の教育的要求を把握した適切な指導及び必要な教育を受ける機会を、本人又はその保護者の意に反して、与えないこと」「障害を理由として、本人又はその保護者が希望しない学校への入学を強いること」「障害を理由として、本人又はその保護者に過重な人的負担、物的負担又は経済的負担を課すこと」
(新)「本人の教育的要求を把握した適切な指導及び必要な支援を行う教育を受ける機会を与えないこと」「障害を理由として、本人若しくはその保護者の意見を聴かないで、又は十分な説明を行わないで、その希望しない学校に入学させること」

C福祉サービス分野の表現が変わった

(旧)なくすべき差別として「障害を理由として、本人の意に反して、入所施設における生活を強いること」
(新)「障害を理由として、福祉サービスの利用に関する適切な相談及び支援が行われることなく、本人の意に反して、入所施設における生活を強いること」

D虐待の定義が拡充した

(旧)障害者自立支援法に規定する障害者支援施設の業務に従事する者が当該障害者支援施設に入所し、その他当該障害者支援施設を利用する障害のある人について行う次に掲げる行為を(虐待と)いう。
(新)障害者自立支援法に規定する障害福祉サービス又は相談支援に従事する者が当該障害福祉サービス等を利用する障害のある人いついて行う次の各号に掲げる行為をいう。

E虐待の禁止の対象が広がった

 旧条例案では、「障害者支援施設の従事者」に通報義務を課していたが、新条例案では「障害福祉サービス等従事者」へと変更になった。

F基本理念の表現が変わった

(旧)すべて障害のある人は、障害を理由として差別を受けず、ありのままに、その人らしく、地域で暮らす権利を有する。
(新)すべて障害のある人は、障害を理由として差別を受けず、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしく、地域で暮らす権利を有する。

G財政上の措置が新設された

 第7条に「知事は、障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする」との条項が新設され、県の財政措置の努力義務が明記された。

H地域相談員、指定機関の中立性が強調された

 地域相談員、指定機関の業務遂行の原則の中で、「対象事案の関係者それぞれの立場を理解し、誠実にその業務を行わなければならない」という規定が追加された。

I公表が削除された

 旧条例案の38条「知事は、正当な理由なく、関係者が出席を拒み、説明をせず、若しくは虚偽の説明をし、若しくは資料を提出せず、若しくは虚偽の資料を提出したとき、又は勧告に従わないときは、その旨を公表することができる」が削除された。

J意見聴取における「公開」が削除された

 旧条例案で勧告や公表に先立って実施する当事者等からの意見聴取を公開で行うことになっていたが、「公開による意見聴取を行わなければならない」の部分が削除された。

K差別解消委員会の構成が変わった

 旧条例案では差別解消委員会は「障害のある人」「人格が高潔で識見が高い者」で「10人以内」とされていたが、新条例案では「県会議員」が加わり、「20人以内」と変更された。

条例の成立を願う会カンパのお願い

●銀行名   千葉銀行  店番号 011(市川支店)
●口座番号  普通  3685907
●口座名義  千葉県手をつなぐ育成会  会長 田上 昌宏

※団体などのご寄付で、領収書を必要とする場合は、お手数ですが県育成会にFAXで送り先をお知らせください。入金を確認したうえで、お送りいたします。
千葉県手をつなぐ育成会 FAX043−242−6494 рO43−246−2181
info@chi-ikuseikai.com

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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