千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!57

9月議会、傍聴を!

 いったん撤回を余儀なくされた条例案ですが、9月議会に再提出されます。6月議会のあとに県側が大幅に修正した案を出したのですが、それでも自民党の了解は得られなくて、さらに修正した案です。もともと研究会が作った原案とはかなり違った装いとなりましたが、私たちが条例案に込めた思い(魂)や、差別を救済するための手続き(骨格)はちゃんと残っています。これだけ注文を付けられて修正されたのに、条例案を見ていると、なんだかいじらしくなってきます。

 もとは研究会での議論だってずいぶん尖がっていたものです。「罰則がない条例なんて意味があるのか」「生ぬるい!」。そんな意見が闘わされました。

 しかし、深く話し合っていくにつれて、お互いの悲しみや暮らしにくさを感じないわけには行かなくなりました。それぞれに分かり合い、折り合って、あの原案ができたのです。妥協と言われれば妥協です。譲歩と言われれば譲歩です。

 しかし、狭い地域で片寄せ合って暮らしているのですから、どうしたって隣人の思いを踏みつけてしまったり、自分可愛さのために相手を傷つけたりすることはよくあるものです。妥協したり譲歩したりしなければ、地域社会で暮らしていけるわけがありません。

 そう思うと、9月議会に提出される最終案だって、心ある議員や県の担当者や研究会が何とか議会を通すことができるように、知恵を絞り、汗を流してできたものなのです。

やっぱり必要! みんなで作ろう

 条例の灯が消えそうになったときも、追い詰められて夏バテで倒れそうになったときも、この言葉をみんなで噛みしめて、ようやくここまでやって来ました。夏には県内22カ所で勉強会をやりました。どこの会場も地元の市会議員や県会議員の先生たちが私たちの話に耳を傾けに来てくれました。真剣な顔で一生懸命にメモを取る姿が今も忘れられません。

 みんなで作ろう! その「みんな」の中に議員の先生たちが入ったのです。いじめられ、無視され、仲間はずれにされ、今もどこかで泣いている障害者のために、仲間の輪がどんどん広がっていくことを喜びたいと思います。自分自身の達成感や満足感ではなくて、障害のある本人の幸せのために、汗を流す苦労や喜びをみんなで共有したいと思います。もう少しです。22日の9月議会開会日を傍聴に行きましょう。まだ、どの日に条例に関する質疑が行われるのか詳細なスケジュールは確定していませんが、現在判明している日程は以下の通りです。

★9月22日(金)開会 午前10時〜
 9月28日(木)代表質問
 9月29日(金)  〃
 10月5日(木)健康福祉常任委員会 採択
 10月11日(水)採択、閉会 13時〜

障害者権利条約、国連特別委で合意

 障害者に対する差別を撤廃し、社会参加を促すことを目的とした「障害者の権利条約」策定のために開かれていた国連の特別委員会8月25日、条約草案に暫定合意しました。年内の国連総会での採択を目指しています。障害者を対象にした国際条約は初めてで、就職や教育での差別禁止などを盛り込んでおり、日本も今後、国内法整備などを迫られることになりそうです。

 内閣府の担当官は、国連で権利条約が成立し、足元の千葉県で条例が成立すると、国としても障害者差別禁止法をつくらないわけにはいかなくなる、と言っているそうです。千葉県の条例案の成否が国の差別禁止法に大きく影響するのは間違いありません。千葉の条例が障害者の歴史を変えるかもしれないのです。以下は権利条約に関する新聞報道です。

◇     ◇    ◇

 国連によると、世界の障害者は約6億5000万人で世界人口の約10分の1。25日に採択された草案は全50条で、障害者が就職する際や教育を受ける際、事業者や学校側に過度の負担にならない範囲での「合理的配慮」を義務付けたほか、条約の実施状況について国内、国際的監視機構を設置することなどが盛り込まれている。20カ国が批准した時点で発効する。

 外務省によると、車イスの障害者が就職する場合、エレベーターの設置や介助者が義務付けられたり、聴覚障害の生徒のために学校に手話のできる職員の配置が求められることにつながる。

 14日からの特別委では国によって解釈が異なる「障害者」の定義や、障害者の性の権利規定をめぐり、意見が対立し、調整が難航した。しかし、定義は明記せずに各国の裁量を認め、性の権利に関する条項を一部削除することなどで妥協が成立した。9月に再度、特別委を開いて正式採択した上で、国連総会での採択を目指す。

 また、アラブ諸国がパレスチナ問題を念頭に戦時や災害時に加え、「他国の占領下」の障害者の権利擁護を盛り込むように求め、米やイスラエルが反対するなど紛糾したが、投票の結果、賛成多数で前文に盛り込まれることになった。

 同特別委は01年12月に設置が決まり、加盟国だけでなく、非政府組織や市民団体も参加し、計8回の会合が開かれてきた。国際的な差別禁止に関する諸条約としては現在、「子どもの権利条約」など7条約がある。

◇自立へのはずみに−−国連特別委に参加した八代英太前衆院議員の話

 条約案の合意は障害者の自立にとって大きなはずみになる。特別委の議論には日本の障害者の非政府組織もフル参加した。障害者が政策作りに参加する上でも大きな意義があった。今後、国内にどんな監視機関をどう作るかが重要になる。公平中立な体制を作ることが必要だ。(06年8月26日、毎日新聞)

条例の成立を願う会カンパのお願い

●銀行名   千葉銀行  店番号 011(市川支店)
●口座番号  普通  3685907
●口座名義  千葉県手をつなぐ育成会  会長 田上 昌宏

※団体などのご寄付で、領収書を必要とする場合は、お手数ですが県育成会にFAXで送り先をお知らせください。入金を確認したうえで、お送りいたします。
千葉県手をつなぐ育成会 FAX043−242−6494 рO43−246−2181
info@chi-ikuseikai.com

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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