千葉・ちいき発


やっぱり必要、みんなで作ろう!号外

2006年10月11日

成立しました!

 千葉県議会本会議が11日開かれ、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」を賛成多数で可決しました。全国で初めて、障害者への差別をなくす条例が成立しました。
 研究会が設置されてから2年、県議会に提出されてから8カ月を経ての成立です。2月議会では批判的な質問が浴びせられ、その後は市町村教育委員会や企業関係者からも相次いで批判が寄せられ、6月議会ではいったん白紙撤回に追い込まれました。
 条例案は二度と日の目を見ることがないだろうとも見られていましたが、私たちは県内各地で勉強会を開き、条例の必要性について再確認してきました。小さな勉強会にも地元の市会議員や県会議員が参加してくれました。一般市民も数多く参加してくれました。6月議会や閉会中の健康福祉常任委員会協議会では傍聴席がいつも満員になりました。忙しい中、なんとか私たちの思いを議員のみなさんに伝えたくて、県内各地から一人、また一人と議会に集まってきたのです。
 そうした思いを受け止めてくれた県議の何人もが、条例を成立させようと立ち上がってくれました。議会内では根強い反対論が最後まであり、かなりの部分で修正を余儀なくされたのですが、それでも私たちが込めた精神や骨格は成立した条例にしっかり貫かれています。
 あきらめず、怒らずにみんなで歩んできたことが、多くの人々の心を動かし、仲間を増やしてきたのです。

これからがスタートです

 条例ができたからといって、すぐに差別がなくなるわけではありません。この条例は、知らないうちに障害者を傷つけてしまったり、よかれと思ってやっていることが障害者を悲しくしたりすることがあることを、みんなで気づき合おうというものです。障害者の側もあきらめたり、愚痴をこぼしたりするのでなく、自らの暮らしにくさを社会に訴えていこうというものです。決して、差別している人を見つけ出してきて罰してやろうというものではありません。
 それだけに、これからの取り組みが重要です。「条例ができたって何も変わらないじゃないか」という声は必ず出てきます。そんなに簡単に社会は変わりません。しかし、5年先、10年先に千葉県がどこよりも障害者にやさしく、誰にとっても暮らしやすい県になるために、この条例は大きな役割を果していくでしょう。
 知事、県職員、議会との間にできた信頼関係を大事にして、これからもみんなでがんばりましょう。みなさん、本当にありがとうございました。

<呼びかけ人> 田上昌宏(千葉県手をつなぐ育成会会長)/竜円香子(同権利擁護委員長)/大屋滋(日本自閉症協会千葉県支部長)/土橋正彦(市川市医師会長)/植野慶也(千葉県聴覚障害者連盟会長)/野内恭雄(千葉県精神障害者家族連合会会長)/成瀬正次(障害者差別をなくすための研究会委員・全国脊髄損傷者連合会副理事長)/佐藤彰一(同・法政大大学院教授)/高梨憲司(同・視覚障害者総合支援センターちばセンター長)/野沢和弘(同・全日本手をつなぐ育成会理事)
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