障害者グループホーム等のあり方研究会報告の概要
〜障害者が地域でお互いに支えあいながら普通の暮らしをするために〜

研究の背景等
○ 障害者が地域でその人らしく暮らすためには、それぞれのニーズに応じた多様な「住まい」の確保が重要。その中心的な役割を担っているグループホーム等の機能の充実・強化等が求められている。
○ こうした観点から、官民協働の「障害者グループホーム等のあり方研究会」を設置し、現行のグループホーム制度等の充実・強化とともに、新たなタイプのグループホーム制度のあり方を検討。
○ 研究会は、計14回に渡り検討。この間、障害を持つ当事者のヒアリングを実施。
国の制度改正との関係
○ 県における実態を踏まえつつ、研究を行うことは必要であり、有意義であるため、国の制度改正と同時並改正(障害者自立支援法案等)と同時並行で研究。
現行グループホーム制度等の充実・強化
○ グループホーム等は、利用者のニーズがどこにあるかが最も重要な視点。グループホーム関係者はそれをどう実現していくかを念頭においた支援。
○ 適切なケアのためには関係者の研修が必要。研修制度の実施支援、運営者等関係者への協力を働きかけ。
○ ホームヘルプサービスの利用について、市町村、関係機関に対する制度の周知と必要な指導、複数の者に対する同時支援に係る制度の柔軟な運用の国への働きかけ。
○ 既存のバックアップの仕組みと組み合わせて、重層的なバックアップシステムを整備。支援ワーカーを県下14県域に1箇所ずつ配置、「第三者性」、「広範性」のある業務を実施。
○ 利用者負担の重いケースは補助の検討が必要。市町村の家賃に対する 補助を促す支援策の検討。
○ 体験入居制度について、構造改革特区制度を活用した日額単位でのグループホーム利用の実施。「体験利用に特化した新たな事業」としてのモデル事業の実施。
○ 施設整備補助制度を拡充し、障害特性に応じた特別な構造・設備を整備する場合は適切な補助が必要。
○ 国の事業と県単独事業の役割分担について、役割・機能が重なり合う部分は国の制度を 活用、県単独事業は、国の制度でおぎなえないニーズに重点化することが望ましい。
新たなグループホーム制度の創設
○ 身体障害者が生活できるグループホーム
・ 家庭に代わる地域生活の場が選択肢として求められている。
・ 身体障害者も共同住居を制度化し補助対象とすべき。この場合、知的障害者生活ホーム制度の対象を拡大が現実的。
○ 重度・重複障害者が生活できるグループホーム
事業主体:市町村(負担割合 県1/2、市町村1/2)
実施方法:知的障害者グループホームから指定
対象者:行動障害、身体障害を併せ持つ等の最重度知的障害者
形態:グループホームに世話人及び介護職員を配置
○ 医療的なケアが必要な方が生活できるグループホーム
事業主体:市町村(負担割合 県1/2、市町村1/2)
実施方法:知的障害者グループホームから指定
対象者:重度知的障害の重複障害者等で経管栄養、痰の吸引等の常時医療的ケアが 必要な者
形態:グループホームに世話人及び看護師を配置
国の障害者施策に対する提言
○ 障害者自立支援法案のケアホーム及びグループホームは、「ミニ施設」化しないよう十分な検討が必要。
○ 自立支援法案では、利用者の応益負担が求められているが、重度の障害者に配慮し、適切な減免等の措置を講じるべき。
○ 身体障害者についても、個別のニーズに応じて、グループホームを利用できるようにすべき。
○ 精神病院及び在宅障害者が地域生活を体験できる仕組みを創設すべき。
○ 精神障害者のグループホーム利用者についてもホームヘルプ利用を認めるべき。
○ グループホーム利用者に対するホームヘルプサービスについて、複数の者に対する同時支援ができるよう制度の柔軟な運用を図るべき。
報告の取扱等
○ 報告は「障害者計画作業部会」の議論を経て、県の施策として段階的に具体化。
 (新たな事業の創設、市町村・事業者等関係者への助言・指導等)
○ 研究は尽きることはない。今後も民間団体に議論の場を移し、研究を続行。
 (県職員の参加)