第1部 女の度胸が医療を変える           ごあいさつ コーディネーター 鳥集 徹さん(ジャーナリスト)      みなさまこんにちは。週刊文春や文藝春秋で医療関係の記事を書いているジャーナリストの鳥集(とりだまり)と申します。  今回の主役は「男性」の私ではありません。 男の「常識」で凝り固まった医療、介護、福祉の現場を変えようと奮闘する、三人の女性にご登壇いただきます。  一人目は、総合内科医の本田美和子さん。エイズなど感染症治療の分野で広く知られる本田さんですが、現在、「ユマニチュード」というフランス生まれのケア技法の伝道師として、高齢者介護の哲学を根本的に変えようと奮闘なさっています。感染症の専門家がなぜ高齢者介護に取り組むのか、そもそもユマニチュードって何でしょう。  二人目は、大阪精神医療人権センターの山本深雪さん。長い入院生活を強いられている患者さんたちの人権を守り、社会生活への復帰を手助けするため、1998年から20年近く、精神科病院の閉鎖病棟の訪問活動を続けてこられました。その活動から見えてきた日本の医療の「閉鎖性」とは? 「施設」を生き残らせようと画策する精神医療を、どう変えていくべきでしょう。  三人目は、麻酔科医の志村福子さん。腹腔鏡の手術で相次いで患者さんが亡くなった千葉県がんセンターで、問題だらけの手術を目の前で見てきました。しかし、センター長に告発したところ、逆にパワハラに遭い、退職に追い込まれてしまったのです。患者さんやまっとうな医療を守るために当然のことをした医師が、なぜ不当な扱いを受けるのか。 あまりに非常識な医療界の常識を変えるには、どうすればいいのでしょう。 これらの疑問について、いつもの取材のスタイルで、どんどん聞いていきたいと思っています。そして、もう一つ、えにしの会では初の試みとして、三人のみなさんに共通の質問をして、お答えを「フリップ」に書き込んでいただく形式で進めます。用意した質問は次の三つ。  @お互いの話を聞いて、「同じだ!」と思ったところはどこですか?  Aみなさんの活動の妨げになっている医療、介護、福祉の「壁」とは?  B医療、介護、福祉を変えるために、今、必要とされる「マインド」は?  えにしの会の参加者のみなさんには、三人のお答えを、書き込みながら、お聞きいただきたいと思います。さて、どんなお答えが飛び出すでしょう?   その中から、医療、介護、福祉を変えるヒントを導き出し、第2部、第3部の「地域包括ケア」(む〜、わかりにくい言葉だなぁ)をめぐる議論につないでいただければ幸いです。 みなさま、何卒よろしくお願い致します。 *5月中旬、医療の利益相反を問う新著『新薬の罠』(文藝春秋社)を出版します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 女の度胸が医療を変える (13:05〜14:45) <自己紹介>                    (各演者10分未満で合計30分)  @本田さん A山本さん B志村さん <セッション1>                          (20分) お互いの話を聞いて、「同じだ!」と思ったところはどこですか?  本田さんのお答え  山本さんのお答え  志村さんのお答え <セッション2>                          (20分) みなさんの活動の妨げになっている医療、介護、福祉の「壁」とは?  本田さんのお答え  山本さんのお答え  志村さんのお答え <セッション3>                          (20分) 医療、介護、福祉を変えるために、今、必要とされる「マインド」は?  本田さんのお答え  山本さんのお答え  志村さんのお答え <質問タイム> 女も男も「度胸」でどんどん質問しよう!        (15分)