レジュメ 「障害者施策の動向と大阪府における課題」
楠 敏雄さん

1、障害者の定義と障害者人口
  1. 障害者人口の動向ー障害種別ごとの人口、中途障害と高齢化の傾向、ストレスや関係性の断絶による躁鬱、ひきこもり、LDやADHDなど
  2. 障害者の定義をめぐってー障害者権利宣言、1980年ICIDH、ICF
2、国の施策の動向
  1. 契約方式への移行と支援費制度
  2. 地域福祉計画と権利擁護
  3. サービスにおける供給主体の多様化と市場原理の導入
  4. 応能負担の原則
3、大阪府の障害者施策の特徴
  1. 地域性生活の支援ー障害者ヘルパーなど介護システムの拡充、社会資源の育成、ケアマネージメント手法の確立
  2. 住環境の整備ーグループホームや単身入居等のための住宅の確保、支援者や世話人など量と質の確保、民間住宅の活用
  3. 自立支援拠点の整備ー福祉作業所や小規模授産の整備、市町村生活支援授業の拡充、ピアカウンセラーの養成と派遣事業の推進、ショートステイ、デイサービスなどの充実
  4. 施設サービスー施設ガイドラインの具体化、モニタリングシステムと第三者評価、入所者の発言権の保障、オンブズマン制度、地域移行に向けた個別支援計画の作成、QOLの確立
  5. 雇用、就労支援システムの確立ー職場開拓の計画的推進と啓発、ジョブコーチなど雇用支援システムの確立と人材養成、作業所、授産所と企業との橋渡しと連携、就労と生活支援の連携
  6. バリアフリー環境の整備ー福祉のまちづくり条例の改正と整備、交通アクセスと移動環境の改善、情報のバリアフリー化の推進
  7. 障害児教育の支援方策ー多様な教育の場の整備、知的障害者のための高校入学制度としての調査研究校、擁護学校のあり方の見直し、人的支援体制の確立、個別支援教育、教育の場におけるバリアフリー
4、当事者運動の課題
  1. 政策決定への当事者参加と政策提案能力の拡大
  2. 地域拠点の確立とNPOなどの立ち上げによるサービス供給主体の強化
  3. 障害者団体間の連携
  4. 障害種別間の連携と施策格差の解消
  5. 市町村間格差の是正
  6. 当事者の権利擁護のためのネットワーク作り
DPI日本会議2002年度総会基調、当面の基本方針

 私たち「DPI」日本会議」は、この10数年間全国各地の草の根の運動を結集し、自立生活や交通アクセスなどの課題を中心に、活動を続けてきました。私たちは今年10月に札幌で開かれる「DPI世界大会」をなんとしても成功させ、組織の飛躍と日本の障害者自身の手による自立運動の大きな発展を実現させなければなりません。そのためにも、私たち自身の主体的力量を一層高めつつ、他団体との共同行動を積極的に進める必要があります。また、制度や政策の改革に関する大胆な提案をより有効に行い、政府や各自治体行政、さらには社会全体に私たちDPI当事者運動