えにしの本のエッセンス
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故・外山義さんの『自宅でない在宅−高齢者の生活空間』(医学書院)より
ISBN4-260-33291-0
■スウェーデン留学での喪失体験は、貴重でした■
スウェーデン語を体得するまでは本当につらかったですね。一種の喪失体験でした。おなかがすいたというような簡単な意思の疎通はどうにかなりますが、学問上の議論になると黙るしかない。ヨーロッパでは会話に参加できないと、言いたいことがないのだろうと放っておかれますから、人格まで縮小してしまう。その自分を自分自身が受容することが、なかなかできませんでした。
■人と出会うためには「身の置き所」が必要なのだ■
あたかもお互いが存在しないかのように、同じ空間のなかで没交渉に暮らす。それはまるで、現実の4人部屋・6人部屋の生活のなかでは、他者と一緒にいることの「負の教育」がされているのと同じである。すなわち一緒にいることは楽しいことではなく、トラブルも起こるし、ストレスも生じてしまうということを、意識下で日々刷り込まれているようなものだ。そういう生活のなかでは、人と共にいることが楽しいことだという原則自体が否定されているに等しい。 以下は、目次のエッセンスです
T.地域と施設の生活の「落差」
U.落差を埋めるための「思考」
V.落差を埋めるための「実践」 注文は、http://www.igaku-shoin.co.jp/から、メールでもできます。 |
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