苦労を上回る喜びo(^^o) (o^^o) (o^^)o
お前、出世を諦めたのか!?
1年仕事を休んだ男性官僚の育児奮戦記。
保育所、ご近所、行く先々で遭う無理解やトラブルの数々。
笑いあふれるエピソード。
少子化問題もちょっと考えさせられる一家5人の心温まる物語。
『経産省の山田課長補佐、ただいま、育休中』
四六判 並製 248ページ ISBN978-4-532-16551-2
1,470円(税込) 2006年1月発売 日本経済新聞社
私は2005年11月まで1年間、第三子の育休を取りました。上の双子の育休は妻が取りましたので、共働きである以上、今度は自分が取るのが当然だと思いました。
でも、実際に育休を取ると言い出すと、周りからは、「男が育休なんか取れるのか?」との声。多くの男性にとって育休は自分の世界の外の出来事のようです。「出世は諦めたのか?」とも言われました。親としての責任を果たしているだけなのに、なぜか育休は職場での低い評価と結びつくと信じられているようです。
育休が始まった後にも、育児は女性が行うものという固定観念には悩まされました。例えば、「今日は、ママはどうしたの?」という乳児検診の保健師さん。外出先で、オムツ替えシートは女性のトイレのみという施設も少なくありません。
また、男女を問わず大変なのは駅などの階段です。車椅子対応のエレベーターなどが設置されていても、ベビーカー使用が認められていないことがあります。10キロ近い赤ん坊を抱いてベビーカーをたたんで担ぐなどというのは、男だって大変です。
このような苦労もたくさんありますが、それを上回る喜びを知りました。
「ダッコしてー」「絵本よんでー」子どもになつかれると、親はますます大変になります。けれど、親にとって、子どもに頼られることが、こんなにも幸せなことだとは、育休を取り子どもと向き合ってみて初めて知りました。
それまでは所詮妻の育児のお手伝いですから、子どもは、最後は母親を求めていくものだと思っていました。全幅の信頼を私に寄せてくれている子どもたちとの生活を送っている今、私にとっては、子育ての楽しみももはや捨てることはできません。
願わくは、一人でも多くの男性に育児に参加し、子育ての楽しみ、喜びを味わっていただきたい。そうして、子どもに対する温かいまなざしが増えてくれば、今よりもっと子育てしやすい日本になるのではないでしょうか。