少子化と子育て、そして教育の部屋
スウェーデンの出産事情〜体験記〜
ストックホルムに留学中の医師が、奥様の出産を通して経験したばかりの、スウェーデンのホヤホヤ出産事情を紹介してくださったメールです。

(1)出産に関する費用は無料。入院時の食事、部屋代は自己負担ですが我が家の場合、家族全員!で泊まり、2泊3日で5000円でした。息子も出産を見学できました。)

(2)正常妊娠(ルーティーンの診察)は助産婦(スウェーデン語の直訳は、スペシャルナース)、異常妊娠もしくは妊娠時の異常は医師と完全に棲み分けが出来ています。
 ちょっとした異常が見つかったときの対応もとても早く、即日病院予約、医師の診療となります。全て手配してくれます。

(3)助産婦も含め、スペシャルナースと言われる職は社会的地位も給与も高く、当然技術も素晴らしいです。おそらく日本の産科医と同等かそれ以上。

(4)エコー検査は異常がない限り18-21週の一回のみ。無駄な検査はしません。35歳以上は羊水検査をすすめられます。この国は初産が比較的高齢なのです。

(5)出産後も、病棟には常に小児科医、産科医が常駐。新生児の異常チェックが、これでもかってくらい厳しいです。

(6)出産する病院は陣痛が5分以内になるまでわからず、空いている病院を探してくれてそこに行きます。その時のタクシー代も返してくれるそうです。私は知らずにレシートを捨てちゃいました。

(7)出産後はBVC (Baby care clinic)で。こちらも新生児〜幼児専門の受け持ちのスペシャルナースが居るので予約して、個室にてじっくり検診から予防注射まで全てケアしてくれます。おそらく就学までだと思います。もちろん無料です。

(8)未成年の医療費(歯科も含め)はすべて無料。

(9)しかし救急外来は数時間待ちと大変評判が悪いです。

(10)当然全ての医師は、勤務時間以外は働かないので、日本のような劣悪な労働環境では無いです。日本から留学して来る医師どもはこれにブーブー文句を言ってますが・・・彼等はちょっと勘違いしているようですね・・・

(11)全て電子カルテ化されていて、薬局に行けばIDカードを見せれば薬が出てきます。どこの病院に行っても医師が患者のカルテを見られるので大変便利です。

(特)ベビーカーを引いている人は何と市内交通の核であるバスが無料!!もちろんバスには、ベビーカーを三台おくスペースがあります。

スウェーデンでは子供は国の宝という考えがあるようです。ちょっとこのシステムを導入するには日本の厚生官僚をスウェーデンにたくさん留学させないと無理かと・・・日本のIT技術なら可能でしょうが、国家予算や医師(日本医師会)の理解が無いと難しいでしょうか・・・

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もうひとつ重要な事を忘れていました。入院中はお願いしなくても、何と、日本人のスウェーデン語の通訳の方を付けてくれました。もちろん無料です。これはこちらでは普通のことです(アラブ系、アフリカ系などなども)。BVCでも希望すれば日本人通訳を付けてくれます。うちは付けていません。しかし病院での日本語通訳さんは妻にとっては心強かったようです。

やはりスペシャルナースになるというのは看護師の方にもとても良いモチベーションになるのではないでしょうか。日本でも医師と看護師の間の職という感じで浸透すると良いと思います。

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さらに重要なことを妻に言われて思い出しました。こちらの人に聞きましたが39歳までの不妊治療は補助金が出て無料だそうです。これは凄いことだと思います。何処かの国は実費ですよね・・・。

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さらに、追記・・・

スウェーデン人はどこでも子供に笑顔で、泣いているとあやしてくれます。もちろん子供に対するどんな暴力も御法度です。ヘタしたら警察に通報されてしまいます。

助産婦と書いたのは、妊娠から出産まで男性のスタッフには全く会わなかったからなんです。一人だけ男性の産科医がいましたが、私の妻の担当ではありませんでした。

御存知かと思いますが、幼稚園から大学院まで学費は基本的に全て無料です。

妊婦検診から出産までかかる費用は出産時のベッド代と食事代のみです。

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