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さまざまな挑戦4
高齢社会をよくする女性の会代表 樋口恵子さん
みなさんご存知の通り、東京都知事選にでられたところですが、本当にご苦労さまでございました。肩書きは「高齢社会をよくする女性の会」代表ということでお話をしていただきます。
能力を発揮することが社会への第一歩

 今日はすごい挑戦をしていらっしゃる方と一緒にここへ座ることになりまして戸惑っていますけども、それに比べましたら私の都知事への挑戦など軽いものでございます(笑)。
 私は高齢者の問題は深く深く関わってきましたけども、障害者の問題に関してはあまり詳しくない人間でした。ただ、私たちの仲間どもに障害者の問題について詳しい者、障害を持っている人がいまして、都内の各地で車いす勝手連とか何々市障害者勝手連とか本当に勝手に出てきてくださいまして、選挙を支えてくださいました。

 私は遊説や公約で、弱者という言葉をできるだけ使いませんでした。弱者にするのではなくて、能力を発揮することができる社会にしていくことが大事なのではないかと思い、今日までチャレンジしてきたわけです。

「妥協の樋口」から「度胸の樋口」へ

 私は、介護保険など通じまして政策決定の場に少しずつ関わらせてもらっています。ある政策を進めていくためには、論議を尽くしたうえで、自分の意見を言った上で、妥協というのはそんな悪いことじゃなくて、大事なことだと私は考えています。
 ですから、私についたあだ名が「妥協の樋口」ということなんですが、今回ばかりは「度胸の樋口」(笑)に切り替えて、度胸をもって望んできた次第です。

非力、微力、でも、無力じゃない

 スマップの歌じゃないけど、一人ひとりがナンバーワンの花じゃなくて、オンリーワンの花を咲かせていく、それを作るのが行政の仕事ではないかということを感じました。わずか2、3週間の選挙ですけども、そこでいろんな方に出会い、ありがたかったと思います。

 私たちは少数派であることは確かです。非力であるかもしれない、微力であるかもしれない。だけど無力ではないということをまた強く感じ、少数派の中から真理が生まれてくるだろうと思って皆様と一緒に広い意味でもチャレンジをつづけて行きたいと思います。
 今日お集まりになった方側に立って選挙戦ができて、または応援してただいてありがとうございましたというのが最初に申しあげたいことです。

勇気をもって外部にサービスを頼もう

 「高齢社会をよくする女性の会」は22年目です。これも1つの挑戦だったと思います。
 高齢社会が新しい社会だということがわかっていないという人に向けて、何度も調査をしながら、何度も生の声を重ね合わせながら、勇気をもって外部の人にサービスを頼んでいくのは決して悪いことではない。これはむしろ新しい親孝行といいましょうか、家族を維持する必要不可欠な装置であると、言い続けてきました。

高齢者介護とDVの共通点

 高齢者が要介護になった時、介護の時間がものすごく長く、重度化しているのに、嫁が犠牲になっていて、当たり前だと思っている。しかし、それが新たな家族崩壊を招いたり、これまでデフレスパイラルできちゃったことだと思ってます。
 そういう状況がようやく意識化されてきて、介護の社会化が必要だとわかるんです。

 DVも同じなんですよね。亭主が女房をひっぱたたくのは当たり前だと思っている。それは恥ずかしいから見えないことにしている。そこに光があたる。見えるけど、当たり前だと思う。でもいや、これはおかしいじゃないか、と意識化されて初めて制度に結びついていく。

高齢当事者として発言していく最初の世代として

 人生100年時代の中で起こりうる問題を、多数派の問題にしていくということがこれからのチャレンジだと思っています。

 それから先ほど、JTBの相良さんが、ろうの状態を自分がどう受容していくか、その仲間に入っていくことが1つのチャレンジだとおっしゃいました。
 「高齢社会をよくする女性の会」を作った頃、私は50歳でした。その頃の創立メンバーがちょうど当事者になりつつあります。

 私たちは家族の立場、嫁の立場から発言してきた。今の挑戦は、今から自分自身が老いていくという立場から、当事者として発言していく最初の世代として、介護される側の声をはっきりと出していこうと思っているところです。

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