「愛につつまれて」というポピーズ&フレンズのCDに心を打たれた。
ポピーズの名は、ボーカルの関根由紀さんがポリオ、作詞作曲の善一さんがCP(脳性まひ)であることに由来する。
2人は町田ヒューマンネットワークという自立生活センターで働いている。障害のある人が町で暮らせるように家探しを手伝い、改造し、介護者を見つける。人間関係や所得保障のノウハウを伝授する。そして、精神的にも支える仕事だ。
善一さんは、みんなからヒッピーと呼ばれている。
仕事の合間に劇団「態変」の役者としてアフリカやヨーロッパにもでかけた。
口髭、長髪の、実にカッコいい車いす姿だ。
由紀さんは2児の母。かれんな声、優しい声、すごみの利いた声と、7色の声を使い分けて夫の曲を歌う。夫妻は70の多彩なオリジナル曲を持ち、各地の催しで演奏してきた。
やがて、オカリナの白井進さん、ギターの卯月慎一さん、打楽器の吉口克彰さんが二人のバンドに加わるようになった。いずれもプロの音楽家である。
加わった理由はこうだという。「2人の音楽には、ほかにはない世界がある。関根ワールドのとりこになってしまった」
3人はその音楽に触れ、2人の世界に加わることで心がいやされているという。
障害を持つ人と持たない人の見事なハーモニーが、このCDにつまっている。心打たれるのは、そのせいかもしれない。
とりわけ、「ママ99」という曲が心にしみた。
「……。僕がかたわなのは、ママのせいじゃないよ。ただ、運が悪かった、それだけのことさ。……。あたたかいでしょう、僕のいのちは。……。燃えているでしょう」
歌詞は、「殺さないで、ママ…」で終わっている。
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