バリアフリー新法/「本当に使える」という実質の確保を
日本福祉のまちづくり学会理事、一級建築士 川内美彦さん
東横インの不正改造問題では国中から非難の声がわき起こり、「バリアフリー化は当然」との意識が国民に定着してきていることをうかがわせた。 だが、利用者側から見ると、実態はそれほど前進しているとは言えない。両法には対象施設や機関を利用する権利の規定や、利用拒否への罰則がなく、この点は提案中の一本化法案でも変わらないからだ。 ◆ ◆
例えば、大阪法務局は04年に、JR東海がハンドル型電動東いす利用者の乗車を一律に拒否していることについて、重大な人権侵害にあたると改善を勧告した。だが、デッキつきの新幹線や特急には今も乗ることができない。この件に関し、交通バリアフリー法は、まったくの無力だ。
私たちは障害を持つ立場として、国土交通省に改善を求めてきたが、財政支出の増大につながるなどとして、反応は芳しくない。
時刻表で新幹線の車いす利用案内のページを見てはしい。 ◆ ◆
鉄道事業法では、鉄道事業者が利用者の利便や公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、国交相が改善を命じることができると定められている。
02年にできた「身体障害者補助犬法」では、公共施設や飲食店などが盲導犬や介助大などの同伴を拒否することが禁じられている。 (2006年4月11日 朝日新聞「私の視点」より) |
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