目からウロコのメッセージの部屋
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農耕牧畜が一万年前に始まった理由は、ほかにもあるはずです。気候変動だけなら、それ以前にでもあったはずだからです。今生きている我々以外の、ほかの人類が農耕を始めてもいいわけです。しかし、実際に農耕を始めたのは我々現生人類だけです。したがって、我々の側にも何か理由があるはずです。
哺乳動物でも、サルでも、類人猿でも、メスは子どもが産めなくなると、それから数年ぐらいで死んでしまいます。一方オスはいつまでも子どもをつくれる能力がある。したがって、おじいさんは存在します。自然の状態では、哺乳動物にも、サルにも、類人猿にも、おばあさんは存在しません。どういうわけか現世人類にだけ、おばあさんが存在するのです。
おばあさんがいると何が違うか。一つはお産が安全になることです。加えて、娘が産んだ子どもの面倒をみたりする。このため、メス一個体当たりの出産数が増え、群れの個体数増加につながるわけです。人口増加です。 (NHK人間講座 2002年12月〜1月 「宇宙からみる生命と文明」 より) |