卒論・修論の部屋

ハンディキャップを持つ人と旅行から見えてくるもの〜草薙威一郎さんのライフヒストリーを通して〜
地家 杏奈さん


 私が、本論文を執筆するにあたって、感謝してもしきれない二人の人物が存在する。一人は、この論文の主人公である、株式会社JTBに勤務されている草薙威一郎氏。そして、もう一人は、私の尊敬する大阪大学教授である大熊由紀子氏である。お二人が共通する点といえば、その名前が世間に広く知られていること。例えば、インターネット上では、その名前を打ち込むだけでざっと数100件は検索できる。また、そのような名声に溺れることなく、人とのつながりをとても大切にしている点であろう。お忙しい中、私のような一学生に対して、できうる限りの時間を割いて下さったのもその好例といえる。個々人について、ここで取り上げてはとても書ききれないのだが、その素晴らしいお人柄を以下にほんの少し紹介しておこう。
 草薙氏は、初めてお会いしたインタビュー当初から、こちらが恐縮するぐらい謙虚に、しかし、明白なご自身の意見をもって、こちらの質問に的確な返答をされる方であった。その後のやりとりは、私の論文の進み具合に応じて、時に面白くまた時に鋭くさまざまなアドバイスを頂いた。私が今感じるのは、この論文を越えて、良き人生の先輩として助言を頂いたこと、さらにその姿勢から一度きりの人生をいかに自分で切り開いていくかを学んだということである。この論文の最大の成果は、氏との出会いの"きっかけ"を得たことだといっても過言ではない。
 一方、大熊教授とも、実はまだ一年に満たないお付き合いである。なぜなら、大熊氏が教授になられてからまだ一年にも満たないからである。だが、もはや「教授」という呼び掛けにこちらがぎこちなく感じるほどそのお人柄は親しみやすく、「笑顔の由紀子さん」といった感がある。しかしながら、当然そのアドバイスには「なるほど」とうなってしまうほどの気配りと鋭い視点がある。こちらの意見がはっきりしないときなど、逆に「自分はこういうことが言いたかったのか」、と教えられてしまう始末である。だが、それは決して押しつけではなく、こちらの意見を十分汲み取った上での話なので、こちらはむしろいい気になってしまうことさえある。まったくその優しい語り口と頭の切れの良さには敬服するばかりである。
 以上のお二人の存在なくして、この論文は存在しえなかった。ここに、簡単ではあるが、改めて感謝の意を告げておきたい。

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