福祉人材とコムスン問題の部屋

「コムスン職員がNPOで起業することへの支援」を不法行為とするコムスンへの対応
朝日新聞2007.7.8社説より

NPO法人市民福祉団体全国協議会
NPO渋谷介護サポートセンター
社団法人長寿社会文化協会

 私たち3団体はコムスンの指定取り消し、事業の更新不可に伴い、コムスンの職員の方々がNPO法人を作り独立(起業)される場合には支援することを決め、相談窓口を設置いたしました。
 その後別紙のように3団体へコムスンの社長より、「不法行為に該当する可能性も否定できない」として速やかに呼びかけを中止するようにとの文章が郵送されました。
 これを受け取った6月30日以降、7月2日に3団体で協議した結果は以下です。

1.コムスン職員がNPOで起業する場合には支援する基本スタンスであり、憲法にさだめられた職業選択の自由からも何ら法律に抵触するもではないと判断しました。
2.対応として、基本どおりにNPOとして独立したい職員がいれば、NPOの設立や介護サービス事業の指定申請など事業化のサポートをする基本姿勢に変化無しとしました。
3.いままでの相談件数や事例に関しては、職員への圧力などの危険性があるので、一切公表しないとの考え方を一致しました。

 その後、コムスンでは、内部に対してNPO設立や独立化に対して不法行為の可能性がある等の文章が出されている等を知りました。
 そのため、7月9日に再度3団体が弁護士も交えて検討を行いました。
 内容は以下です。

1.コムスン会社社長よりの「不法行為に該当する可能性も否定できない」に関して、法律に照らして「NPOを設立して起業する職員がいる場合には支援する」事は不法性があるものではないとの三団体の見解を公表する。
2.コムスン社内で「引き抜き、起業・独立のよびかけは不法行為にあたる可能性がある。このような行為を確認した場合には連絡せよ」等の文章が連日、全事業所や個人に送られ、内部への統制強化や職場監視体制をとる動きがあると聞くが、このようなことは、職員の基本的人権の侵害に触れる可能性に関わることであり、職員の職業選択の自由の侵害に関わる可能性がある事態であり、将来への不安を助長するもとであると考える。
3.介護サービスは利用者の命に関わることであり、職員との信頼関係で成り立つものである。また、サービスは利用者の選択に基づいて利用されるものであり、サービス利用者は企業の所有物ではない。心から信頼できる体制で質の高いサービスが提供されるようにすることが私達三団体の基本理念である。
参考:民法 第五章 不法行為
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

会見出席者 : NPO法人市民福祉団体全国協議会 アドヴォカシー担当 福原 秀一
NPO渋谷介護サポートセンター 事務局長    服部 万里子
社団法人長寿社会文化協会    常務理事    水野 嘉女

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