雑居部屋の部屋

無職の学生と同じ住環境を高齢者に
小山剛さん 高齢者総合ケアセンターこぶし園総合施設長

基本的には、誰もが「普通」と思っている無職の学生の住環境と同レベルが、高齢者に提供されることに尽きます。親の仕送りなどで暮らす無職の子供たちが町の中で個室に暮らすことを「普通」だと思っている日本の社会で、どうして長年社会に貢献し、税金を払い続けてきた高齢者が、人の暮らしていない所で、「雑居部屋」「四畳半」「六畳」のバス・トイレ・キッチン無しでいいのでしょうか。

大都市圏ではケアハウスの個室最低面積が21・6平方bから7・5平方bつまり「四畳半」と大幅に縮小し、特別養護老人ホームの個室も「6畳」(ベッドと車いすを、どう使うのでしょう?)でいいという大臣談話が報道されました。大学生やフリーターと称する人たちの多くが、少なくとも周りに人が暮らす町の中で、狭くともバス・トイレ・キッチン付きの個室に暮らしています。

これができなければ次の世代が介護保険から離れ崩壊することは明らかではないでしょうか? 若いときから社会連帯として社会保障の負担を続けると住まいはどんどんひどくなっていく、ということを次の世代に教育しているようなものですから・・・

それまで暮らしてきた地域での生活を支えることがあたりまえで、その暮らしが困難なときに選択する施設などの集合住宅でも、学生同様だと考えるのが普通なのではないでしょうか。
雑居部屋や狭くて安い部屋が必要なのではなく、普通の部屋に暮らすための住宅保障を負担することが必要なのです。

定額で介護を受けることが可能になった社会ですから、次は普通の住まいの提供を実現したいと思います。

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