優しき挑戦者(国内篇)
※写真にマウスポインタをのせると説明が表示されます | |||||
「ご近所プロジェクト」と「出前講座」が、千葉のまちをあたたかく変えつつあります。風を起こしているのは、自閉症と診断されたわが子、知的なハンディを負ったわが子をもって、一時は絶望の淵に沈んだ父母たちです。 ●「大変ね」「お気の毒に」ではなく
市川手をつなぐ親の会、50年の歴史をもつ、知的障害の子をもつ親の会です。
3年前、新たな活動に踏み切りました。行政に、「ここを住みやすくするためにお願いします」と陳情する前に、ご近所の人たちに障害のある人のことを知ってもらおうという試みです。「pai」(ぱい)という名は、プロテクション&アドボカシー市川の頭文字をとったのですが、権利擁護の前に、とにかく知ってもらうことに力を注ぎました。
まず、「何に困っているか」「どんなことでうれしいか」を会員に尋ねました。 ●キャラバン隊『空』誕生! 代表の竜円香子さんはいいます。
こうして始めたのが、たとえば、出前講座。言葉の通じないピカチュウの世界に入ってもらう体験コーナー、紙芝居、お母さんの声、作業所に通う本人の声、ビデオ……学校や公民館など思いつくかぎりの場に出掛けていくことから始めました。
座間市手をつなぐ育成会のキャラバン隊を手本に写真のような、キャラバン隊『空』も誕生しました。立ち上がったばかりのホームページhttp://www.aa.cyberhome.ne.jp/~moroya/から、『空』の名のいわれを引用してみます。
☆障害のある人と家族は、可哀想でも不幸でもない。
☆障害があると知った時、戸惑っていた親たちも、今では生まれてきてくれたことに感謝している。 ☆「何も出来ない」「何も感じない」と思わないでほしい。 ☆みんながしていることは「やりたい!」、みんなが「イヤ!」なことは、「イヤ!」と思っている。 ☆豊かな心も、傷つく心も持っている。 ☆暖かい眼差しと、見守る目をいただきたい、それが、地域で暮らすための最も力強い応援。☆様々な人が暮らし、支えあう地域を創っていく、そこに私たちも参画していきたい。 ●お医者さんへの「説明カード」も
市川医師会の若き会長の土橋正彦さんがこの活動に感動し、「pai」の呼びかけにこたえて、生まれたのが「説明カード」です。 ポスター(右の図、クリックで拡大)も生まれました。「待つことが苦手なひともいます〜知的障害・自閉症の人達もこの街に暮らしています」と呼びかけている自画像を描いたのは、キャラバン隊「空」の"女優さん"の娘、平野栄さんです。市川市医師会の会員250人が働く医療機関の待合室に貼られ始めました。薬剤師協会の協力をえて、薬局にも貼ってもらおうと計画中です。
「障害のある人の特性を教わるチャンスがなかったために、医師自身がパニックを起こして、思いもよらない発言をしてしまっていた」 (大阪ボランティア協会『Volo(ウォロ)』2005年11月号より) | |||||
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