(号外!!!!!!!)
「えにし」のHPの登場人物たちの日々が
『恋するようにボランティアを〜優しき挑戦者たち』という
本になりましたo(^^o) (o^^o) (o^^)o
「えにし」のホームページのあちこちに登場する国内、海外の人びとの挑戦をあつめた、本ができました。
タイトルは『恋するようにボランティアを〜優しき挑戦者たち〜』です(*^^*)。
日本では、誤解されているボランティア゛
ボランティアは、日本では誤解されています。
たとえば、「タダでやってね」というときに、「ボランティアでお願いします」とよくいいます。でも、英語のボランティア、北欧語のフリヴィリには、「無料で」という意味は、まったくないのです。
ボランティアの語源は、ラテン語の「ウォロ(Volo)」。
「喜んで〜する」「進んで〜する」「志す」という意味です。ラテン語の研究者によると、「いやいや〜をする」という意味の「ノロ(Nolo)」と対になっていて、ウォロには命令形がないのだそうです。
ボランティアの日本語訳の中で、私がもっとも素敵だと思うのは、「ほっとかれへん」「がまんでけへん」。日本のボランティア推進組織の老舗中の老舗、大阪ボランティア協会事務局長の早瀬昇さんの訳です。
ボランティアの「ボル」は、火山を意味するボルケイノと同じで、中から噴き出してきて、止めようとしても止められない思いを表しているといわれます。星空を取り戻したい、天災にあって酷い目にあっている人たちをなんとかしたい――抑えきれない思いに突き動かされて、人はボランティアになります。
その語源どおりのボランティアが、この本に登場する「優しき挑戦者たち」です。
本にまとめているうちに、共通する法則を、5つほど"発見"しました。
「そうだ、そうだ」「そうは思えないけど」「もっと面白い法則を、見つけたよ」という方、メールdzy00573@nifty.com でも、ファックス020-4624-2919でも結構ですので、「ゆき」まで、お教えくださいね。お待ちしています。
法則・その1「ボランティアするのは楽しい、でも、されるのは気が重い」
ボランティアを「受ける側」から光をあててみたら?
そんな思いもこめてシンポジウムを企画したことがあります。1991年、朝日新聞論説委員時代のことです。
登壇者の一人、樋口恵子さんはプログラムにこう書きました。
「肢体不自由児施設で3年間、寝たきりの生活を余儀なくされました。そのころ、サンタの格好をしてお菓子をくれる人や、同じ世代の中高生が時々来ました。その『ボランティアさん』が来る日は、何故か気が重かった記憶ばかり残っています」
なぜ、気が重かったかを、樋口さんはシンポジウムで、こう分析しました。
「ボランティアさんは自分の意志で来るけれど、私たちは拒めないのですから」
ボランティアは、ときに、気づかずに、受ける人の気持ちや誇りを傷つけることがあるようなのです。
例外は、第1章の登場人物。
自身がかかえている問題から出発した「当事者ボランティア」です。
オシッコボランティアのみなさん、「ゲンチョーさん」についておおっぴらに語る「べてるの家」の面々。障害差別のない社会をつくるための条例を、涙ぐましい苦労と逆転の発想での末に日本で初めて実現させた千葉県の障害当事者やその両親たち。
「ヘルパーは本人が選ぶ。その賃金は公的に保障する」という、専門家が思いつかなかった方式を国の制度にしてしまった筋ジストロフィのクローさん(写真@)。
目からウロコの挑戦ばかりです。
法則・その2「真のボランティアは、自分がボランティアと気づいていない」
ボランティアの定義に、「やる気」「世直し」「手弁当」というのがあります。教科書言葉でいうと「自発性」「社会性・公益性」「無償性」です。
この要件を満たし、困難な世直しの道に飛び込んでいった人びとは、なぜか、ボランティアとは自覚していないのです。
たとえば、人格円満なお医者さん、高齢社会の希望の星と思われている日野原重明さんのことを、この本では「過激な長老」として紹介しました。日本医師会や医学界の常識に逆らい続けてきたからです。
「目からウロコの歯の革命」の回に登場した熊谷崇さん(写真A)も同様に危ない橋を渡りました。
どちらも、あきらめず、ついに目的をとげてしまいました。
法則・その3「ボランティアは、法律を超える、制度を超える」
ノーマライゼーションの父と呼ばれるデンマークのバンクミケルセンさんも、スウェーデンのグリューネバルトさんも、官僚です。ところが、ジャーナリストを手引きして、施設の実態を事細かに世の中に知らせ、改革の起爆力にしました。
雲仙(写真B)の田島良昭さんも富山(写真C)の惣万佳代子さんも、制度にないことを次々と手がけて法律の条文に触れました。法律を金科玉条とするお役人としばしば衝突しました。
けれど結局、法律や制度の方が変わってゆきました。
「なにも、そこまでやらなくても」といわれながら、やむにやまれぬボランティア精神を発揮した人びとが第3章の登場人物です。
法則・その4「ボランティアは、伝染する」
第4章に登場するみなさんと時を過ごし、歴史を知ってつくった法則です(^_-)-☆
伝染を左右する秘密も2つほど見つけることができました。
@ボランティア菌は、ワクワクする楽しい場所では増殖し、しめっぽい、暗い場所では姿を消してしまう。
Aボランティア菌をまき散らす人物がいる。
とびきりの笑顔で重い自閉症の人が働く知多半島の「むそう」(写真D)には戸枝陽基さんや加藤恵さん、市川のご近所プロジェクトには竜円子さん、、精神病を体験した人びとがまちに溶け込んでいる帯広(写真E)には門屋充郎さん、認知症の人が穏やかに暮らす西東京市の「年輪」(写真F)には、安岡厚子さん。
住民流福祉総合研究所代表の木原孝久さんのことばを借りれば、「先を読む、情報に強い、夢を語る、お役人や商人を味方にする、老獪(ろうかい)で純情という、坂本龍馬のようなボランティアコーディネーター」です。
法則・その5「ボランティアがつながると、社会が変わる」
第5章に登場する方々が取り組んでいる課題は、個人のボランティアでは解決できないことばかりです。
・女も男も楽しく子育てできる、安心して子どもを生める社会(写真GH)
・タバコの煙が苦手な人が、煙にさらされずにすむ社会
・お医者さんが過労死しなくてすむ社会
・安心して急病になれる社会
・自殺に追い込まれない社会
・だれもが良質な医療を受けられる社会
登場人物たちは、同じ思いをもった人びとがつながりあうことによって、時間はかかるけれど、「社会は変わる」と信じて、行動しているように見えます。そして、実現しつつあるのが凄いところです。
目次は次の通りです(^_-)-☆
思いを抑えきれない優しき挑戦者のみなさまへ
1章 ボランティアするのは楽しい、されるのは・・・
アルビノ――2万人に1人の若者たちが出会った
和製ヨンさま、3つの奇跡!
べてるの家のゲンチョーさん
大活躍! おしっこボランティア
オーフス方式の生みの親、エーバルト・クローさん
住民と行政が一緒に――千葉方式から条例へ
2章 真のボランティアは、自分がボランティアと気づいていない
「過激な長老」日野原重明さん
目からウロコの歯の革命
「内部告発」という名のボランティア
「Cネットふくい」は、仕事で元気
星子ちゃんが残した、「医療情報開示」への道
3章 ボランティアは、法律を超える、制度を超える
ノーマライゼーションの生みの父、バンクミケルセンさん
ノーマライゼーションの育ての父、ベンクト・ニイリエさん
「施設は有害」と語った三人目の父、グリューネバルトさん
このゆびとーまれ――子どもも、お年寄りも、笑顔
ハンディが重くても、愛する人と、故郷のまちで
新知事、村井さんの秘められた過去と長野発の福祉改革
4章 ボランティアは、伝染する
「ふわり」の風
父母と医師たちの、ご近所プロジェクト
「あの池田市」に生まれた、咲笑という居場所
まちで暮らす、志のネットワーク
「日本中にあったらいいな」のコミュニティケア
まちで、みんなで、認知症をつつむ
サポートハウス年輪――十人十色のさりげないケア
5章 ボランティアがつながると、社会が変わる
挑戦――男の子育て、怪傑、そして課長補佐
子育てを男女で楽しむノルウェーで
煙の上にも30年、そしていま
子どもの救急医療が危ない!
命の輪をつなぐ、自死遺児たち
政治家とボランティア魂
みなさまへ、恋するようにボランティアを
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注文してくださる方は、以下を利用なさると、とても便利です。
http://www.budousha.co.jp/order/ordertop.htm
サイトからの注文が苦手の方は、
荒未知子さんに直接ご連絡ください。
メルアドは、ara@budousha.co.jp
電話03-5283-7544/fax03-3295-5211
1600円+消費税=1680円は、本が届いてからの後払い。
送料はぶどう社が負担してくださいます。
ぶどう社のサイトは、http://www.budousha.co.jp/
(大阪ボランティア協会の機関誌『Volo(ウォロ)』2008年5月号より)
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