えにしの本のエッセンス

(7)ルポ 内部告発〜なぜ組織は間違うのか
朝日新聞記者 村山 治 さん / 奥山 俊宏さん / 横山 蔵利さん

「時代がこれだけ変化してもなお、旧来の発想から抜け出せない組織が、いまだ多数派であることも事実だ。指摘された事実に正面から向い合おうとせず、内部告発を煙たがり、目を背けようとする。そんな組織経営が今も幅をきかせている」と本書は訴えます。
「内部告発」なんかしなくてすむために、と「目からウロコのメッセージの部屋」で訴えた金沢大附属病院講師の打出喜義さんも登場します。

プロローグ  なぜ連鎖するのか
第1章 三菱自動車の欠陥車隠し、「不特定多数に対する殺人」
第2章 ミートホープから船場吉兆まで 食の偽装を追う

1、ミートホープ元常務、70歳の決意
2、「白い恋人」、匿名メールを無視した代償
3、船場吉兆、繰り返された虚偽説明
4、ニチアス、一通の封書で社長は公表を決意した
5、栗本鉄工所の型枠偽装、朝日新聞に届いたはがき
6、告発の連鎖、「私はこう考える」
第3章 コンプライアンスと内部通報、企業はどう向きあっているか
1、帝人グループの「企業倫理意見箱」
2、ベネッセの「監査役直通ホットライン」
3、通報の翌日、自宅待機を命じられた営業マン
4、談合に風穴を開けた独禁法の「リーニエンシー」
5、ダイヤル・サービスの「企業倫理ホットライン」
6、「内部通報」をめぐるさまざまな議論
第4章 地方公共団体でのコンプライアンスの取り組み
1、「天敵」を委員長にいただく大阪市の「コンプラ委」
2、「裏金」を指摘する手紙が相次ぐ
3、職員に「公益通報」を義務づけた宮崎県の東国原知事
4、「警察裏金」を告発し続ける現職巡査部長の苦闘
第5章 「検察裏金」疑惑、現職検事はなぜ逮捕されたか
第6章 専門職の倫理と内部告発
第7章 千代田生命の元常務と元社長、破綻を境に賠償責任が逆転
第8章 「内部告発のパイオニア」が受けた32年間の仕打ち
あとがき

朝日新聞社刊・798円(税込)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9737

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