優しき挑戦者(国内篇)
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思いがけなく病に見舞われた人々をつなぐ「道しるべ」となる本が、静かなブームを巻き起こしています。
■患者の一言から、1442団体に■
プリメド社の『要覧』の初版が出たのは96年暮れでした。
「そのような人に、同じ立場の人が集う患者会を紹介したい」という思いに駆られ、前人未到の要覧づくりに取り組みました。団体の連絡先だけでなく,活動の目的や内容,会員の動向,入会方法,相談窓口等をできるだけ詳しく掲載しました。索引を充実し、さまざまな手がかりから目的の団体を検索できるように工夫しました。
■"あったらいいな"を求めて■
『全ガイド』を編集した和田ちひろさんが患者会と出会ったのは99年のことでした。「患者満足度調査」を研究していた和田さんは、もどかしさを感じていました。病院を通じて回収したアンケート調査では8割が「病院に満足」と答えるのです。遠慮しているのではないか、どうしたらホンネに近づくことができるだろうか、模索から患者会の存在を知りました。
2003年、和田さんは、「患者さんの"あったらいいな"を実現するために、いいなステーションを設立」しました。同じ病気の人に出会いたい、自分の病気について知りたい、闘病経験を生かしたいという願いにこたえるために、様々な活動をしています。患者会の情報収集と提供、患者の自己学習環境の整備と支援、患者自身が医療系の学生に闘病経験を語る「患者講師」の育成……。
■インターネットを駆使して■
プリメド社は、ホームページをもっている組織については、http://www.primed.co.jp/selfhelp/で惜しげなく、紹介しています。いいなステーションも「患者会・患者コミュニティサイト リスト」をhttp://www.e7station.com/html/kanja-kai/に公開しています。患者会情報もインターネット時代に突入したようです。
いいなプランナーの池上英隆さんはいいます。
■癒し・情報提供からロビイングへ■
患者会の活動は@患者同士の癒しA患者への情報提供Bロビイングにしばしば分類されます。東大医療政策人材養成講座特任准教授の埴岡健一さんはこう分析します。
■提言能力と組織力と代表性と■
埴岡さんは、『全ガイド』の中で、こう述べています。
下の2つのサイトは、すでに、それを実現しているデンマークの患者組織連合体(右)と障害者組織連合体(左)です。デンマークでは、事務局スタッフの人件費を国が支援しています。患者組織の会員は、あわせると100万人。この国の人口の20%にもなります。行政も政治も一目おかざるをえないのです。 (大阪ボランティア協会の機関誌『Volo(ウォロ)』7・8月号より) | |||||||
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