認知症の部屋

目次

世界の常識に逆らって、認知症の人々を精神病棟に「収容」してきた過去を反省し、2012年6月、政策を180度転換する報告書を、政務官をキャップにした厚生労働省のプロジェクトチームが纒めました(*^―^*) 「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の、よい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指す」と決意が記されていました。ところが、政権交代とともに、暗雲が立ち込めました(/o\)
日大文理学部で2023.10.21に開かれた大学地域連携学会の講演の記録です。
文中に度々登場する塩崎恭久・元厚生労働大臣の記念講演の記録
『真に』子どもにやさしい国をめざして―社会的養育と大学、地域との連携
もあわせてお読みください。
私が適応の状態になっても使用しないようにと家族に話してあります。それにしても部会・厚労省、大丈夫なんだろうか。 ……北里大学名誉教授・宮岡等さん
左はテレビ東京アメリカ社長だった貫田直義さん(レビー小体型認知症) 右は美術の先生だった澤田佐紀子さん(母親ゆずりの若年性アルツハイマー型認知症)
国や自治体の取り組みを定めた認知症基本法が参議院本会議で6月14日、可決・成立しました。
第3条に以下の基本が書き込まれています。
「認知症施策は、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望をもって暮らすことができるよう」
「すべての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として」
「地域において安全にかつ安心して自立した日常生活を営むことができるように」
「自己に直接関係する事項に関して意見を表明する機会」
「社会のあらゆる分野の活動における活動に参画する機会の確保」
「その個性と能力を十分に発揮することができるよう」
法案概要
法案要項
第25回「宮城の認知症をともに考える会」2023.2.18 世話人の山崎英樹さんの趣旨説明 
認知症の講演会というと、医師や介護の専門職、介護家族が壇上で話するが一般的でした。それがかわりつつあります。毎日新聞が1面と3面を大きく使って、東京・八王子の挑戦を紹介しました。詳細は、https://mainichi.jp/articles/20230121/k00/00m/040/192000c
記事の途中に出てくる「今すぐ登録して続きを読む」のボタンから「有料会員契約」をすると最初の2カ月が無料になるキャンペーン中とのことです。
〇「認知症とともに生きる希望条令」の挑戦が、世田谷のあちこちで動き出しました。 商店街やラジオ体操など多彩なメンバーが加わった太子堂のイベントふりかえりの記録
いま世田谷区認知症施策評価委員や小学校の出前授業でも活躍
「認知症の古いイメージ⇒新しいイメージ」「認知症の本人に聴こう!声から学ぼう!」etc.イラスト入りで(^_-)-☆
パネリストは3人とも世田谷在住の認知症体験者。申込み締切りは11月3日。日大文理学部 本館(世田谷区桜上水3丁目25番40号)。申込みは、03-5432-3333。受付時間 午前8時〜午後9時(年中無休) 条例は、認知症を体験した委員とともに策定し、条例名に「やさしさ」でなく「希望」。予防より「そなえ」」が盛り込まれました。「かわいそうな人をサポートしてあげる」のではなく、「パートナー」としてともに生きる。そんな世田谷をつくるために
診断を受けたその日から 世界が大きく変わる あなたは想像したことがありますか?
認知症と診断されて8年、全国の仲間の話をきいて書いた、認知症当事者のリアル声
平岩千代子さんによる 丹野智文さんのロングインタビューから抜粹
認知症専門医から:「記事を読んで、当事者不在の医療や介護(という知識や善意)の危うさを、改めて教えられました。」
認知症とともに生きるわたしたち本人も参加してつくりました
世田谷区にんさぽ(認知症在宅生活サポートセンター)だより第3号より
認知症当事者が条例づくりに参加 世田谷区で施行 朝日新聞 2020.10.2
認知症とともに生きる希望条例 成立「区民は当事者のパートナー」毎日新聞 2020.9.29
ウィズ認知症へ「なったらおしまい」意識を改革 東京新聞 2020.9.16
世田谷区認知症とともに生きる希望条例 世田谷区長 保坂展人さん 2020.9.26 新たなえにしを結ぶ会にて
〇JDF障害者權利条約パラレルレポート特別委員会第32回会合での認知症当事者ネットワークみやぎ代表理事 丹野智文さんの報告
〇現場へ 認知症当事者はいま……朝日新聞夕刊2020.3.2〜6 生井久美子さん
サポーターからパートナーへ、予防より備えを、認知症になってからも自分らしく暮らし続けるための「私の希望ファイル」etc.新しい視点を盛り込んだ条令の骨子案を認知症本人とともに創って区議会へ
自分らしさがなくなる⇒自分らしさが磨かれる
問題を起こす人⇒認知症バリアで苦しんでいる人
あきらめ、孤立、暗く、絶望的⇒あきらめず、楽しく、希望をもって
(A3サイズで両面印刷して2つ折りにすると、A4サイズのリーフレットになります)
認知症の世界が、まざまざと分かるサイト。まだ認知症と診断されていない方々の体験と地続きです。
「顔無しの村」「文字ケ原樹海」「ミステリーバス」「カイケイの壁」「トキシラズの宮殿」
多数の認知症当事者へのインタビューを元に研究者が分析し、困りごとを分類。「認知症未来共創ハブ」のプロジェクトの1つです。症状を内側から描いているので、「当事者研究」的でもあり、困りごとを軽くするための本人の工夫も掲載されています。
1.一日も早く、スタートを切ろう/2.これからのよりよい日々のために
3.あなたの応援団がまちの中にいる/4.わたしの暮らし(こんな風に暮らしています)
1.認知症になってからの日々をより良く暮らせるわが町に
2.本人の声を活かして、わが町の事業や取組をパワーアップ!
3.これからの地域支援体制づくりを地元の本人たちとともに
4.本人の声を起点にやってみました!自分たちの町で、一歩一歩
製薬会社やマスメディア、「認知症の専門家」とされる医師への厳しい批判も
○「注文を間違える料理店」という不思議な店がめざすもの
○認知症になっても安心して外出できる/行方不明を防ぐ地域づくり全国フォーラム」 2017.3.3
○認知症のわたしたちが語り合い伝える〜やさしいまちをいっしょにつくろう〜
大熊由紀子 医学書院「精神医学」 2015.12.15[精神科の戦後史・最終回]医学書院許諾済み
連載1〜8回は電子ジャーナルでお読みになれます。
○「徘徊」というものの見方をめぐって
認知症のお年寄りを地域で見守る取り組みとして、100以上の自治体に広がっている「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」。その元祖の福岡県大牟田市が名称から「徘徊」の文字をなくすことを決めました。「徘徊」は、1980年代から、医学用語として定着し、メディアがも広く使われていました。しかし、「目的なく歩き回るわけではなく、帰宅や買い物など、その人なりに理由がある」といった声が沸き起こり。。
日本精神科病院協会と深いつながりのある石井みどり議員が事務局長をつとめ、「介護に偏重した認知症施策を是正する政策立案を目指す」と記しています。」
認知症の人に必要なのは、「安心できる環境と人生を大切にしたケア」。精神病院はもっとも不向きな環境とし、日本以外の先進国では過去のものになっています。にもかかわらず、与党自民党の圧力によって、厚生労働省は、時計の針を逆転させてしまいました。
「厚労省幹部は『自民党議員から病院の役割をもっと盛り込むよう要望があり、修正した』と明か。す」「文言の修正には病院経営への配慮がにじむ。」
日本の人口は世界の2%なのに、日本の精神病院のベッドは世界の20%。日本でだけ精神病がはやっているはずもないのに、なぜ? 認知症はじめ、入院の必要がない人々が精神病院で人生を失っているからです。30年の精神病院生活ののち退院して、「いまは、幸せ」という男性を描いた記事。
認知症施策の推進に向けた認知症本人からの提案〜希望と尊厳をもって暮らせる社会の実現にむけて〜2014.10.23 記者会見の模様
○連載「認知症新時代」 第4部「できること ある」……毎日新聞2014.9.30〜
アルツハイマー・スコットランドが作った希望のもてる冊子。「診断直後は自分も家族もつらく絶望的な気持ちになりました。でも、いずれ受け入れられるようになって、新たな人生を前向きに送ることができるようになりますよ。少し時間はかかるけれども」というような、「先輩」からの説得力のある言葉が溢れています。
一部和訳しました
病気隠さず何でも挑戦/ 忙しい毎日「まだいける」/「カフェ」で仲間と集う
「地域で生活」支援あれば/当事者が社会に発信/「思い」形に、京都からの挑戦
本田美和子doctorへのインタビュー(介護労働安定センター「ケアワーク」13年7月号より)
〇なぜ、認知症の当事者研究なのか〜認知症ケアの歩みと未来
〜北海道医療大学・新潟県立看護大学名誉教授・中島紀惠子さん
〇毎日新聞の連載「老いてさまよう〜閉鎖病棟から」
(毎日新聞「私の社会保障論」2013.6.5) 【テキストファイルはこちらから
★安倍晋三現首相(自民党山口第4選挙区 陣中見舞い 300万円) ★田村憲久現厚生労働大臣(自民党三重第4選挙区 陣中見舞い 300万円)
〇認知症国家戦略・国際政策シンポジウム 2013.1.29
薬を飲み忘れたり、お金の管理ができなかったり、食事を腐らせてしまったり・・・できないことだらけの認知症の女性が、安心して一人暮らしできているわけは?
国際医療福祉大学大学院の2012年秋の公開講義での佐藤雅彦さんと中村成信さんの対談のおりに映し出されたパワボです
国際保健に尽力し,脳神経外科医でもあった元東大教授、若井晋さんが、自身が若年性アルツハイマー病であることを明らかにし、診断から約3年、受け入れるまでの苦悩や告白に至るまでの迷いを2008年医界新聞に語りました。
2012年2月12日の京都。1,003人が集まった「京都式認知症ケアを考えるつどい」で、感動的な拍手と熱気の中、採択されたものです。17.18ページの「認知症を生きる彼・彼女思い、希望、そして満たされていないニーズについて」は必見です(*^―^*)
この一部始終が『認知症を生きる人たちから見た地域包括ケア』というタイトルで、かもがわ出版から刊行されました。
日本同様、北欧諸国に後れをとっていた英国、政府への国民の批判にこたえて2009年から改革に着手し、5つの重点施策を推進しています。厚生労働省の新方針に影響を与えたといわれる報告書です。
スウェーデン・オーストラリア・デンマーク・イギリス・アメリカ・ドイツについての現地報告・国家戦略の翻訳などがお読みになれます。(認知症介護研究・研修センター提供)
オーストラリア、デンマーク、英国、フィンランド、フランス、韓国、オランダ、ノルウェー、アメリカなどの国家戦略がリンクされています。
15、16ページに各国の状況をまとめた一覧表が載っています。
「認知症の人を精神病院に送る」という国際常識に反する「流れ」を「不適切」とし、「認知症になっても住みなれた地域で暮らし続けられる社会の実現」を目標にした新たな政策「今後の認知症施策の方向性について」を2012.6.18、厚生労働省の局横断プロジェクトチームが発表しました。精神病院の組織から多額の政治献金を受け取っていた前の政権では不可能だった政策転換です。認知症「患者」という言葉を使わず「認知症の人」、「早期治療」でなく「早期対応」とするなど、ことばの使い方にも政策転換の意気込みが現れています。(毎日新聞・「私の社会保障論」2012.6.29)【テキストファイルはこちらから
○ 今後の認知症施策の方向性について◆本文参考資料概要◆ 2012.6.18発表
「『患者』でなく『認知症の方』と表現するようにしました。医療者は『患者』という言葉で妙なスイッチが入り、誇りや尊厳を持った普通の方だということを忘れてしまうからです」(毎日新聞・「私の社会保障論」2011.9.16)
毎日新聞・くらしの明日・私の社会保障論 2011.4.22より
★医学書院のご好意で『訪問看護と介護』の記事を1カ月に限りリンクさせていただいています。
住みなれたまちで役割をもって誇らしげなお年寄りと、白い壁の精神病院の回廊式廊下を自分の居場所を探して歩き続ける寝間着姿のお年寄り。同じ認知症なのに。。

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